真昼の情事/官能小説


  食物循環

                        蛭野譲二

   17.我慢できない


  
 この展望台には、登ってきた階段とは別に、下り坂の一本の細い道がつながっていた。

 二人は手を取り合って、その坂道を下って行った。

 十分ほど歩くと、眼前に細い草に覆われた南向きの斜面が広がってきた。

 健二は道をはずれ、その斜面を十メートルほど降りて行った。

 そこには、人の胸ほどの高さの木が、枝を重ねるようにして何本か生えていた。

 健二はその下手側に回り込む。

 「ここまで降りて来なよ」。

 枝美子が注意深く斜面を降りて健二の所に来てみると、そこには芝生のような草が生え、腰掛けるにはちょうど良い具合になっていた。

 「ここで少し休んで行こうよ」。

 枝美子としても異存はない。ハイヒールで階段や坂道を歩いていたために、足首が少々疲れていたのである。

 緩い斜面に腰を降ろすと、低い木の陰になって道の方からは、二人の姿が見えなくなる。

 草の上に腰を落とした枝美子がくつろいでいると、健二がブラウスのボタンをはずし始めた。

 「さっき飲んだばかりじゃない」。

 枝美子が、そうたしなめる。

 「だって、何時でも飲んでいいんでしょ」。

 健二は笑顔でそう言いながらブラジャーに手を掛ける。

 「仕方ないわね」。

 枝美子は健二のされるがままになっていた。

 健二は、乳房に吸い付きミルクを飲んだ後も、乳首を舐めたり、指で軽く摘んだりして弄んでいた。

 さらには、乳房を両手で挟みつけるように搾り、ミルクを飛ばして遊ぶ。

 「そんな事してると、後で飲む分が無くなっちゃうわよ」。

 枝美子がそう言うと二人で顔を見合せて笑った。

 いつの間にか健二は、枝美子の前に回り込み、立てるようにして少し開いている膝の間に首を突っ込んでいた。

 スカートの中を覗き込み、指で枝美子の女の部分を弄り回している。

 縦の割れ目を広げたり、中に指を入れて掻き回したりしている。

 「また中からネバネバの液が垂れ出してるよ」。

 健二の無遠慮な言葉に枝美子は頬を染めていた。

 「僕、もう我慢できなくなっちゃったよ」。

 健二が枝美子に訴えかける。

 「いいわ、いらっしゃい」。

 健二は急いでズボンを脱ぎ始める。そして、覆い被さる様に枝美子にのしかかる。

 熱い異物が身体の中に入ってくる。その感触を捉らえると、枝美子の身体の中は自然に蠢きだす。

 分身を締め上げられた健二は、何分も立たない内に限界に近付く。

 「もう、行きそうだよ」。

 健二が訴える。

 「ああっ、中に出して」。

 枝美子が呻く。

 次の瞬間、健二は腰をグッと押しつけ、枝美子の中に大量の樹液をドクドクと送り込んでいた。

 枝美子が衣服を整え、洋服についた草の葉などを取っていると、健二がすぐ下の所で立ち小便をしていた。

 その姿を見ると枝美子にも押さえていた尿意が甦る。

 「気持ちいいよ。ここで済ませておいたら?」。

 振り向いた健二が声をかける。

 確かにトイレに行きたい気持ちは強いが、附近にはトイレなど無い。しかも、健二の下心も手に取るように解っていた。

 「絶対に覗かないでね」。

 少々迷った末、枝美子は健二を山の手側に追い上げた。

 しゃがんで下半身に意識を集中させると、堰を切ったようにオシッコが噴き出してくる。今朝、家を出る前にして以来のオシッコである。なかなか終わらない。

 健二は音を立てないよう静かに枝美子の斜前に回り込み、その姿を見詰めていた。

 太腿の間の割れ目からほとばしる女のオシッコは、何度見ても興味をそそる。

 ツルツルの丘の下から噴き出す水流は、陽光を受けキラキラと輝いてみえた。

 すでに健二に覗かれていることに気付いた枝美子だが、勢いの衰えないオシッコの最中では、どうすることもできず、また頬を赤くするしかなかった。



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