真昼の情事/官能小説


  食物循環

                        蛭野譲二

   18.観覧車


  
 二人で車に乗って走っていると、山陰から遊園地の観覧車が見えてきた。

 「あれに乗ろうよ」。

 それを見つけると、健二が指差した。

 「いいわよ」。

 枝美子は深く考えること無く答えた。

 午後をだいぶ回った遊園地は、家族連れよりもむしろカップルの方が多かった。

 その分二人の姿が目立たないのは、枝美子にとって幸いに思えた。

 しかし、いざ園内に入ってみると、枝美子は自分の着ている洋服の恥かしさをあらためて痛感させられた。

 行楽客と擦れ違う度に、皆枝美子の身体を珍しいものを見るように眺めているのである。

 特に大きく張り出した胸元に突き刺さる視線を痛いほど感じさせられた。

 擦れ違いざまに若い男女からは、「度胸あるわねー」とか「でっけーなー」などと話し声が聞こえてくる。

 耳を塞ぎたくなる状況の中でふと見ると、健二の姿が見えない。

 変に探し回るとかえって逸れてしまうとも思い、枝美子は道端で少し待ってみることにした。

 往来を眺めて健二を探す間も枝美子は羞恥責めにあっていた。

 通り過ぎる人の中には、ふざけ半分に首を曲げて、わざわざ胸の谷間を覗き込んで行く者さえいた。乳房がまた熱を帯びてくる。

 実際にはものの五分も待って居なかっただろうが、枝美子には長い時間に感じられる。

 待ちくたびれた頃、健二が小走りして追い付いてきた。

 手には何か細長い袋を持っている。

 「ちょっと土産物を買ってたものだから」。

 「お母さんにズル休みをバレないようにしてよ」。

 ペコペコ頭を下げる健二を見て、枝美子の心は少し落ち着きを取り戻した。

 二人は観覧車の前に辿りついた。

 園内は割にすいていたが、それでも観覧車の前には、十組くらいの客が待っていた。

 切符を買って柵内に入ると、枝美子はまたしても羞恥の責めに苛まさることを予知せざるを得なかった。

 この遊園地の観覧車は、ゴンドラが一番下に降りたときでも底が地上から一メートルほど浮いた状態になっている。

 このため、遊覧客がゴンドラに乗る時は、鉄製のプラットホームに揚がるようになっていたのである。

 人の胸ほどの高さのプラットホームには五、六段の階段で上がるようになっていたが、そこには手摺りだけで視界を遮るようなパネルなどは無い。

 順番の先頭で次にゴンドラに乗る人は、そのプラットホームの上で待つことになる。

 ほとんどの待ち客はプラットホームの上の客を見上げて待っているのだった。

 枝美子は心臓が高鳴るのを感じていた。

 現に順番が前の方のカップルが階段を上がって行くのを見上げると、女の子のミニスカートの中が見え、パンストのシームラインが覗いていた。

 枝美子が身を引くような動きをみせると、健二は強く肘を掴む。

 「これが最後のお願いだから」。

 健二が小声で囁く。

 迷っている間に早くも順番が回ってきた。

 「はい、次の方」。

 係員が声をかけると、健二は手を引いて枝美子に階段を登らせる。

 やむを得ず階段を上がり終えた枝美子がちらりと振り向くと、待ち客達がこちらを見上げている。スカートの中の裸のお尻まで覗き見られるのは間違いなかった。

 俯き加減に前を見ると健二が嬉しそうに微笑んでいた。

 やっとゴンドラが近付いてくる。前に乗っていた客が降りて行った。

 「すげーな、あのミニスカートのおねーさん、ノーパンだぜ」。

 「やだー、丸見え」。

 係員が二人に乗込みを促した時に、後から男女の声がした。

 瞬間に枝美子は真っ赤になり、飛び込むようにゴンドラに乗り込んだ。

 枝美子はものすごく息苦しく、半分目を回したような状態なっていた。空気の吸い過ぎである。

 それを見た健二も少し慌てて、枝美子をシートに座らせる。

 「深呼吸してみようよ」。

 健二は声をかけ、「吐いてー、吸ってー」と拍子をとる。

 枝美子の呼吸が少し戻ると、健二はブラウスのボタンをはずし始めた。胸が窮屈だと思ったのである。

 ブラウスの前をはだけると次は、ブラジャーをはずしにかかる。

 しかし、背凭れにピッタリ身体を押しつけている背中には手が回せない。

 人並外れた巨大な乳房を支えるため、枝美子は普段からワイヤー入りのブラジャーを着用していた。

 しかも、この日身に着けていたのは、後止めでホックが三列掛けのブラジャーだった。

 そのままでは、とてもはずせない。

 健二は仕方なく肩のストラップをずらすとカップを引き下げ、乳房を剥き出しにした。

 数分が経過して落ち着きを取り戻した枝美子は、献身的に看護する健二に微笑みで礼をした。

 ふと自分の胸元を見ると、先程来の羞恥責めにあって、火照ったオッパイの先からは、ジクジクとミルクが沸き出していた。

 慌てて手で隠そうともしたが、「醜態を晒したばかりなので、落ち着きを取り戻した大人の女として振る舞わなければ」と思い直す。

 「またオッパイ飲みたいんでしょ」。

 浅く座り直し、乳房を健二に差し出す。

 すでに張り切っていたオッパイの先からは、弧を描く様にミルクが噴き出し始めている。

 何時もの枝美子に戻ったのをみて、健二は安心し、迷わず乳首を口に含んだ。

 健二はオッパイを吸いながら、左手を枝美子のスカートの中に差し入れる。

 覗き見られた余韻も手伝って、無防備の亀裂からは女の蜜が溢れ出していた。

 指が隙間に触れただけで、枝美子はビクンと身体を振るえさせてしまう。

 健二は思い出したように、土産物の入った袋を開けた。

 中には頭に小さなこけしの付いた鉛筆が入っていた。長さが三十センチほどもある長くて角の無い鉛筆である。

 枝美子の片足を持ち上げ、膝を曲げさせてシートにヒールを載せさせる。

 そして、濡れそぼったピンクの花弁を彼女自身の指で開かせる。

 健二は鉛筆を持ち直し、こけしの付いた方を枝美子の方に向けると、こけしを枝美子の縦の薄い唇の間に押し当てる。

 少し角度を変えて鉛筆を押しつけると、こけしの部分がスッポリと枝美子の身体の中に消えて行った。

 さらに突き当たる所まで押込むと、鉛筆の長さは半分以下になったように見える。

 鉛筆を引き出すると、掻き出されるように、割れ目の奥から大量の粘液が出てくる。

 溢れ出した雫は糸を引いたままシートの前の床に垂れ落ち、そこには水溜まりができ始めていた。

 「女の人って、オシッコを洩らすみたいに愛液が出てくるんだ」。

 枝美子の湧き出る体液の様子を見ながら、健二は感心したような顔で呟く。

 「いやっ、言わないで」。

 枝美子恥かしそうに両手で顔を覆う。

 この間にゴンドラは頂上を通過し、最も景色の良いところを過ぎていた。しかし二人には全く目に入っていなかった。

 健二はズボンのベルトをはずし、堅く強ばったものを取り出した。

 鉛筆の先の小さなこけしに弄ばれ、興奮した枝美子は観覧車に乗っていることなど意識に無かった。

 両足を揚げて待ち構える枝美子に、健二の下半身が突撃した。

 枝美子の生殖器官はグイグイと健二の分身を締め付ける。健二も腰を振ってそれに応える。

 ゴンドラが下がるのとは逆に二人の興奮度は高まり、健二の活火山がこの日二度目の噴火をする。

 枝美子は、溶岩を流し込まれた瞬間に、気が遠くなるような思いをした。



官能小説小説の目次ページへ  次頁前のページへ  次頁次のページへ


Copyright 2001 Jouji Hiruno
動画 アダルト動画 ライブチャット