真昼の情事/官能小説


  重役秘書

                        蛭野譲二

   6.二日目


  
 その翌日も、義雄は何事もなかったように出社した。小夜子も普段と変わらない装いで会社に出ていた。社内での二人の行動は基本的に変わっていない。

 ただし、日に何度か小夜子が差し入れる飲み物だけは変わっていた。

 彼女が義雄の所にコーヒーカップを持ってくるところまでは今までと同じだが、中身は少々違うものになっていた。コーヒーそのものは、カップの半分くらいまでしか入れられていないのである。

 この日から指示されなくても、義雄の目の前で豊かな胸を晒すようになっていた。義雄の冗談が本当になって、小夜子特製のカフェオレが出されるようになったのである。

 ブラジャーのカップが引き下げられると、張り切った乳房が露わになる。小夜子自らの手で搾り出された母乳は最初方向が定まらず、デスクに白い滴を散らした。やがて勢いを増したミルクの筋は、ジュージューと音を立ててコーヒーカップに注がれ、泡立ちながらコーヒーに混じり合っていった。

 義雄も彼女の母乳を味わえるように砂糖を入れずに飲むようにした。少しぬるめになることは否めないが、小夜子のミルクは普通の牛乳と違い仄かな甘味が感じられるのであった。メガネをかけた小夜子の、まだ剥き出しになっている乳房を眺めながらの最初の一口は、何とも言えない優越感が得られた。

 「ところで、香取クンのバストは、何センチくらいあるんだ?」。

 「…八センチです」。

 ほとんど聞き取れないような小さな声で小夜子が答えた。

 「八十八の訳はないから九十八センチか?」。

 しかし、彼女はその言葉に直接返事をせず、ただ顔を赤らめるだけだった。

 「今夜も付き合ってもらうからね」。

 この誘いには、僅かに頷く小夜子だった。


 その晩義雄が選んだのは、前日と同じように静かな雰囲気の店だった。

 この店は、アベック専用ではないかと思われるほどで、店内に居た何組かの客はほとんどがカップルである。客たちは、周りに一切関心を示さず二人の世界に浸っているようだった。

 二人は店の一番隅にある壁際の席に着いた。テーブルのすぐ脇には観葉植物が置かれていて、カウンターからはちょうど死角になるような場所である。

 店に注文したものが出揃うと、義雄は水割りのグラスを持って話を始めた。

 「じゃあ、あらためて香取クンの九十八センチの胸に乾杯だ」。

 それだけのことで、小夜子は少し困ったような顔をした。

 「オッパイの話はそんなに恥ずかしいのかな?。こっちは香取クンのバストの成長記でも聞こうと思ってるんだがな。初めてブラジャーを着けたのは何歳の時かな?」。

 「中学二年の時です。でも、中学生の時は極普通の胸だったんです」。

 「て言うことは、高校生からか?」。

 「…ええ、一年生の後半から急に大きくなりだしたんです。それから、高校に通っている間は、ずっと胸が膨らみ続けていたんです」。

 「カップの方は?」。

 「入学した時はBだったのに、三年の時は、…Fカップでもきついくらいになっていました」。

 「それで、高校を卒業する頃は何センチくらいだったんだ?」。

 「もう、…九十センチは随分上回っていたと思います」。

 「あれ、この間の話と少し合わないな。前の彼と別れた頃になってからまた胸が大きくなったって言ってたろ」。

 一旦、伏し目がちにしていた小夜子は顔を上げる。

 「私の胸、九十センチ代ではないんです。お乳が張るようになってからも、十センチ近く大きくなったんです」。

 「と言うことは一メートル以上?。百八センチか。すると、小さく鯖を読んでいたっていうわけだな」。

 義雄が勝手に勘違いしていた面もあるが、そのことを棚に上げて小夜子への攻めに転じる。

 「嘘をついていた罰だ。ここで、ボタンを二つ外しなさい」。

 小夜子は、チラリと後ろを振り返ってから、言われたとおりブラウスのボタンを外しにかかった。

 開いた襟元からは、豊かな胸の谷間が覗く。

 「人間の煩悩の数と同じとはな、呆れたデカさだな」。

 胸元を無遠慮に眺め続ける義雄の視線を浴びて、小夜子の胸も火照り始めていた。

 「で、母乳は、もう二年以上も出続けてるんだ?」。

 「初めの内は出るって言っても、三、四回搾れば、それで終わりになってたんです。それが段々多くなってしまって…」。

 「今は、どのくらい出るのかな?」。

 「専務さんに飲んで頂くようになった頃は、コップ一杯分くらいは出るようになっていたんです」。

 「で、今は?」。

 義雄の追求は容赦なく、はぐらかすことを許さなかった。

 「張ってるときだと、一回にコップ三杯分くらいです」。

 「下手な経産婦より遙かに多いんじゃないか?」。

 小夜子は、また顔を俯かせる。

 「今日も特製カクテルを作って貰おうかな」。

 ブラウスの隙間から覗く、血管の浮かび上がった乳房を見た義雄は、グラスを差し出して、小夜子に恥ずかしい要求をする。

 「えっ、ここで?。見られちゃう」。

 「大丈夫だよ。他の奴らは自分たちだけの世界にとっぷりと浸かってるんだから」。

 義雄にグラスを胸に突き付けられ、小夜子は首を捻って周りの様子を確認する。ブラウスのボタンをさらに二つ外し終わると、再び周囲に目を配り、ブラウスの中に手を差し入れる。ブラジャーから引き出された乳房はまるまると膨らみ、今にもミルクが噴き出しそうだった。

 実際、彼女のオッパイは張り切っていた。午後三時過ぎに義雄のカフェオレ用に搾って以来、もう四時間以上も母乳を蓄え続けていたのである。

 小夜子は、周りを気にしながら、乳首をグラスに当てる。母乳はすぐさま迸り始め、数本の白い筋となってグラスに注がれる。

 このときの母乳の出はかなり良く、白い筋が合流してドボドボと流れ落ちていく。何分も経たない内にグラスが一杯になった。

 内側が白く曇ったグラスを受け取ると、勝手に乾杯のポーズをとって悦にいっていた。


 結局、義雄は小夜子のミルク割りを一杯だけ飲むと、店を後にした。

 小夜子を連れて夜の公園に繰り出すことにしたのである。

 園内で街灯の明かりから遠いベンチを見つけると、そこに腰を落とす。

 早速に義雄は、小夜子に胸をはだけるように命じた。今度は両方の乳房を完全に剥き出しにさせる。

 淡い光に徐々に慣れてきた義雄の目には、小玉西瓜ほどもある二つのオッパイがかなりはっきりと見えていた。ゆさゆさと揺れる乳房の先端には、僅かに光る滴が滲み出していた。乳房を抱えるように掴み、乳輪の辺りを絞り上げると、乳首の先から白い液体が噴き上がる。

 それを見ると義雄は思わず乳首にむしゃぶりついていた。思いっきり吸い上げると、口の中に生温かい液体が迸る。

 それだけで飲むと大して旨いものとも思わなかったが、夢中で母乳を飲み下していた。完全な球体に近い小夜子の乳房はあまりにも魅惑的だったのである。

 少し余裕の出てきた義雄は、乳首をくわえたまま、スカートの中に手を差し入れる。

 当然、何も穿いていない小夜子の股間を二、三度撫で上げると、迷うことなく義雄の指先は、無毛の割れ目の中に進入する。

 指を深くねじ込んだところで、小夜子の体内をかき混ぜる。

 暫くの間、義男が翻弄すると小夜子は、「あっ、う」と吐息を漏らした。

 母乳を滴らせたまま、指だけで半ばイッてしまったのである。

 少し落ち着きを取り戻した頃、小夜子は胸を仕舞うことが許された。

 ブラウスのボタンを留め終わると、義雄の次の指示を待っていた。この後は当然ホテルに誘われると思っていたのである。

 しかし、義雄はこの日も最後まで小夜子を抱くことはしなかった。

 「明日は休みだから、丸一日かけてデートをしようじゃないか。今日以上の冒険はさせて貰うつもりだけれど、どこまで行けるかは、そっちの意気込みしだいだ。もしも、俺が納得できるだけのことをしてくれたら、今、香取クンが思っている事までしてあげるよ。明日は、まず格好で判断するからね」。

 まだ、火照りの残っている小夜子にしてみれば、またも焦らされるだけで終わってしまった。今日も最後まで行けずに居たのである。

 挨拶代わりに胸を鷲掴みにすると、義雄はベンチから立ち上がり、さっさと歩き始めていたのだった。



官能小説小説の目次ページへ  次頁前のページへ  次頁次のページへ


Copyright 2001 Jouji Hiruno
動画 アダルト動画 ライブチャット