真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   39.水面下の羞恥


  
 昼飯代わりの焼きそばやなんかも食って、一段落した頃だ。

 俺は、相変わらず何か面白い趣向はないかと、いろいろ思いをめぐらせていた。

 そして一つアイデアを思いついたんだ。

 「ねえ綾さん、まだお腹いっぱいで、あんまり派手に動く気もしないから、流れるプールで暫くゆっくり流されてみようか?」。

 「いいわよ」。

 もちろん俺の計略など分からない綾さんは、他意なく承知してくれた。

 「じゃあ、このゴミ、捨ててくるから…」。

 綾さんが立ち上がり、俺の飲みかけのカップに手を伸ばそうとした。

 一瞬、ヤバイと思った。

 きっとトイレに立とうと思ったんだろう。それにカップは後で使おうと思ってたんだ。

 「あっ、まだ少し残ってるから…」。

 どうにかカップを温存することには成功した。

 俺は、綾さんの姿が遠退くと、一目散に売店に向かった。流れるプールで使う浮き輪の調達だ。

 借りてきたのはMサイズ。「Sは子供用だ」って言われたんでMにしたんだ。

 ここの浮き輪は、モロのドーナツ型ではなく、もうちょっと四角い感じのものだった。

 真ん中から少しずれた所に横長の丸い孔が開いていて、周りにロープが付いているタイプだ。


 「あっ、戻ったんだ?少しはミルク搾れた?」。

 「あら、勘がいいのね。でも、それどころじゃなかったわ。こんなにプールは空いているに、どうしてトイレってあんなに混んでるのかしら。待ってる人が多かったから申し訳なくって…」。

 「あっ、そうなんだ」。

 探りを入れた後、ここは軽く受け流しておいた。

 「それより、ほら、浮き輪借りといたからさ」。

 「あら、一つ?」。

 「紐付きのヤツだから、僕はこれ掴んでて、人や壁に当たらないようにしてあげるよ」。

 「妙に優しいのね。途中で手を離して『サヨナラ』なんていうのは無しよ」。

 水際に来ていたが、綾さんは、まだ浮き輪に身体を通すのに躊躇していた。

 まあ、ガキっぽい格好がいやだったのかもしれない。

 「変にしがみ付いてるより身に着けちゃった方が絶対楽だったら。それに顔を水に沈める心配がないから、お化粧が落ちてタヌキ顔になったりしないし」。

 「そうかしら」。

 しつこくで説明したら、やっと納得したみたいだ。

 彼女が腰まで浮き輪を通すと、俺が先にプールに入った。

 思った以上に流れがきつく、止まっているのはちょっとしんどかった。

 縁に一旦腰を落とした綾さんが両脚を水に浸けたところで、俺は少し強引に浮き輪のロープを引いた。

 「あん」。

 引きずり込まれるように水に浸かった彼女の身体は、浮き輪の穴に落ちるように上体を下げていった。

 だが大きなオッパイが引っかかって、身体ごと抜け落ちるようなことはなかった。

 肘も突き出していたから、上腕の下に浮き輪が一応収まっていた。

 「あらん、やだー」。

 このときオッパイは、下から浮き輪で持ち上げられるようになって凄いことになっていた。あの丸い膨らみが彼女自身の顎に付くくらいに上を向いていたんだ。

 これは、俺にとっては楽しい光景だったが、綾さんには苦しかったんだろう。

 彼女は何とか身を捩って、オッパイを浮き輪の下に押し込んでしまった。

 脇の下の高さに浮き輪が収まると、彼女も落ち着いて、流れに乗るようにしていた。

 俺も暫くは浮き輪に掴まって大人しく一緒に流れていた。

 丁度一周した頃、流れの乗り方にも慣れてきて、いよいよ行動を開始した。

 まずは、それとなく綾さんの身体に触れるようにしたんだ。もちろん水面下のことだから周りの人には気づかれない。

 息を止めて潜ったりもした。

 水中では、例のエプロンもほとんど役立たずだ。

 そして浮き輪で押し付けられるようになっていたオッパイは、ズドーンと前に突き出していた。

 よく見ると水着のトップがずれて、乳輪が覗いてるんだ。もう少しでピンクのニップルまで食み出しそうな感じだった。

 顔を上げて、息を継ぐ。

 「水の中だと綾さんのオッパイ、何か解放されたみたいに迫り出してるよ」。

 「そうね、いつもは重石抱えてるみたいなんだけど、水の中だと凄く楽なの」。

 「へー、そうなんだ。どれどれ、重さはどんなかな?」。

 どさくさ紛れに、ついにオッパイに手を伸ばした。そしてギュウッと掴んだんだ。

 「あっ」。

 「確かに重さは感じないけど、随分と硬くなってるよ」。

 「あん、こんなところでダメよー」。

 並行して流れてる人も居なかったんで、オッパイへの悪戯を続けたんだ。

 「どうせ判りゃしないから、水の中で少し搾ったら?」。

 「あん、ダメよー」。

 構わず何度かオッパイを揉み続けた。

 綾さんの両腕は浮き輪の上にあるから、下手な抵抗もできなかったんだ。

 また水に潜り、オッパイを搾る。

 流れがあったんで、あまりはっきりとはしないが僅かに白い煙のようなものがトップの脇から流れ出ていた。

 「どう?ミルク出てる感じは?」。

 「そんなの判らないわよー。上からは見えないんだしー」。

 「じゃあ、ちゃんと確認してみるよ」。

 「ああん、そんなことしちゃダメよ」。

 俺は、また潜った。そして辛うじて乳首を隠している黄色い三角の布に指を掛けたんだ。

 鉤にした指をちょっと引いただけで、魅惑的な突端が姿を現した。

 空かさずオッパイの先の方を絞り上げた。

 白いモヤがスッと出て前方に流れていった。

 また搾ると、白い流れが綾さんの身体をかすめていく。

 何回かやっているうちに息が続かなくなった。

 「ぷはぁ。しっかりミルクが出てたよ。少しは楽になった?」。

 「いやん、楽になったとかじゃないわ」。

 「じゃあ、もっと搾らないといけないな」。

 「えーっ、もういいったら。誰かに見つかったら大変だから、水着も戻して」。

 綾さんは相当にうろたえていた。

 ここは一旦小休止だと思ったんだ。

 浮き輪の下に潜って、オッパイを覆うように三角布を整えた。

 そのとき、ふと綾さんの下半身を見たんだ。

 腰に着けた二種類の布地の内、エプロンの方が少しずり上がっているのに気づいた。両横で結んでいる紐がボトムの方より五センチくらい上にあるんだ。

 「ついでにこっちも、ちゃんとしてあげるよ」。

 流れに乗りながら綾さんの左側に回り込み、左のトップも乳輪が隠れるようにした。

 更に、左側も下半身をチェックした。

 こちら側も二つの結び目が少し離れた位置になっていた。しかも、ボトムの紐は今にも解けそうに緩んでいたんだ。

 この事実を知ってから、俺の頭の中は悪巧みで一杯になっていった。

 「次の梯子のところで揚がろうか?」。

 「ええ」。

 「じゃあ、近づいたら寄せるようにするから、うまくパイプを掴んでよ」。

 口では優しいことを言っていたが、俺の指先は、解けかけの左の紐を彼女に感づかれずに解くことに成功していた。

 「これって、どうやって揚がればいいの?」。

 梯子のステンレスパイプにしがみ付いた綾さんは少々困惑していた。

 身体の周りの浮き輪が邪魔になって、うまく梯子を上れないんだ。

 「とりあえず、くの字でいいから、何段か上がってよ。そうしたら僕が浮き輪を引き下げるから」。

 彼女は言われた通りにした。

 俺は、水面から浮いた浮き輪を引き下ろそうとするが、彼女のオッパイが引っ掛かる。

 「あん、胸を変に刺激されると、お乳が漏れてきちゃうわ」。

 少し手こずった後、腰まで落ちた浮き輪を掴み直す振りをした。

 このときボトムの右の紐端を浮き輪と一緒に掴んでいた。

 そして、浮き輪を彼女のヒップに押し付けながら引き下げたんだ。

 「あん、やだ」。

 声とともに綾さんはぴたりと動きを止めた。

 俺の作戦が見事成功した瞬間だ。

 「えっ、どうしたの?」。

 「水着が取れちゃったの。今は脚ではさんでるけど…」。

 「あっ、本当だ。紐が落ちてきたよ。何処かに引っかかったのかな?」。

 俺は、すっ呆けていた。

 「どうしよう。見られちゃうわ。このままじゃあ上れないわ」。

 「まだ外っ側のひらひらは大丈夫みたいだよ」。

 この言葉は、半ば嘘だった。エプロンは紐が解けてないとはいえ、少しずり上がっていたために彼女は半ケツ状態だった。

 「そうだ!思い切って脚を少し開いて。そうしたら僕が紐を引いてサッと引き抜くよ」。

 「えー、そんなこと」。

 「例え、うまく上がれても、歩いてるうちに落ちちゃうよ。そしたらもっと恥ずかしいことになるよ」。

 「うまくいくかしら?」。

 「もう、やるしかないよ」。

 「そうね」。

 次の瞬間、黄色い布がエプロン中から落ちてきた。

 俺は、それをサッと握り込んだ。

 綾さんは恐る恐る浮き輪から脚を抜いて、梯子を上りきった。

 プールサイドに立つと、まず前を整えて、直ぐに後ろのエプロンの裾を下に引っ張っていた。

 それでも真下に居た俺からは、彼女のワレメまでがしっかり見えていた。

 衆人の中、ノーパンで居る女というシチュエーションは、俺を燃えさせた。

 顔を真っ赤にしている彼女の肩を抱くようにして歩いた。一見優しそうな態度だが、俺の頭の中はエロ一色だった。

 ベンチのところに戻ると、綾さんは急いでパレオを腰に巻きつけた。それで少しは落ち着いたみたいだった。

 いつも下は穿いていないから、人に見られないことが分かれば、それで済むんだろう。


 綾さんは、バスタオルで身体を拭き終わっていた。

 本来ならここで一段落と言うところだが、彼女の目が何処となく落ち着きがなくなっていた。

 見ると、ビキニの胸のところからお腹の方に水滴と言うか水が一筋流れ続けて居たんだ。しかも左右のトップはどちらもだ。

 トップが吸っていたプールの水が垂れていたのじゃないことは、直ぐに分かった。

 正に綾さんが言ってたとおり、母乳が漏れ始めてきたんだろう。

 「あっ、そうそう、水着返してくれない?」。

 この後、彼女がしようとしていることは直ぐに読めた。

 トイレかシャワールームでビキニのボトムを穿き直すついでにオッパイを搾ろうとしていたはずだ。

 「あっ、いいですけど、その前にこれにミルク搾ってもらえませんか」。

 「えーっ、さっき人の目のあるところじゃダメッて言ったじゃない」。

 だが、頭がエロモードの俺は、屁理屈をつけて食い下がった。

 「トイレは、また混んでるんじゃない?こういうところは、遅い時間の方がトイレも混むと思うよ。だから、ここで搾っちゃった方がいいよ」。

 「もうお乳は張ってるわよ。でも、空いてるっていっても、あんなに人が居るのよ」。

 「別にプールの方を向いてなくてもいいからさー。ここで搾ってくださいよ。そうしたら、この水着返しますよ」。

 俺は、少々汚い手まで使っていた。あるいは、俺の強引さに呆れたのかもしれない。

 彼女は、覚悟を決めたように立ち上がり、椅子の後ろに回り込んで座りなおした。

 俺も同じく人気のない後ろに向き直った。

 ベンチの後ろは、数メートルほどの奥行きがあり、その先は生垣になっていた。

 生垣の手前には、工事用の資材が幾つかの山になっていた。

 人が通ろうと思えば、通れる通路のようになっていたんだが、ガラガラのこの日は、砂っぽい工事資材の前を好んで歩くようなやつも居なかった。

 それに、バスタオルを肩にかけて影を作ることも可能だった。

 ただ、このときの綾さんは、そのことに頭が回らなかったようで、タオルで隠そうともしなかった。

 一度、明るい陽の下で魅力的な綾さんのオッパイをじっくり眺めたいと思っていた俺は、それを実現するために、あえてタオルのことは言わなかった。

 プールに背を向けた彼女は、一応あたりを見回す。もう、頬がピンクに染まっていた。

 そして、一瞬俺の顔を見上げると、首の後ろで括った紐を一旦解き、少し緩めにして結び直す。

 黄色いトップの上に躍り出たオッパイは、朝からほとんど母乳を搾っていないから、ボコボコになるほど張り詰めていた。

 搾る前から白汁の噴水と化していた。。

 オッパイに白魚のような手がかかると、シャワーのように母乳が溢れ出る。

 俺の手渡したカップに注ぎ入れてくれたんだ。

 透明なカップの中には、どんどん母乳が溜まっていった。

 だが、カップは大きく、直ぐには一杯にならなかった。

 彼女は何度か顔を上げ「もう、いいでしょ」とでも言っているようだった。

 それなのに、恥ずかしい思いをしてまで願いを叶えてくれてる綾さんに対し、俺は更に追い討ちをかけたんだ。

 裾が乱れて割れたパレオの隙間に手を忍ばせ、彼女のすべすべの恥丘を撫で始めた。

 少し湿っていることを良いことに、ついには亀裂の中に指を潜り込ませた。

 「あん、ここでは勘弁して」。

 「だって、この方がオッパイの出が良くなるじゃない?」。

 「あーん、確かにたくさん出るけど、もっとお乳が湧いてくるから、張りはとれないの。だから許して」。

 それでも俺は、カップがほぼ満杯になるまで、綾さんの秘洞をいじくり続けた。

 ようやくカップを受け取り、それを飲もうとしたときだった。

 「あれー、でっけーオッパイしとるなー」。

 俺もそれまで全く気づかなかった。二人の目の前に、一輪車を押している作業服のオッさんが居たんだ。

 綾さんが母乳を搾っているところを見ていたかどうかは、判らない。

 だが、彼女は、まだオッパイを剥き出しにしたままのときだ。

 営業時間中に工事の作業員が居るなんて思いも寄らなかった。

 「いやーん」。

 その決定的瞬間を見られたことを知ると、綾さんはタオルとバッグを持って、その場を逃げて行ってしまった。

 母乳の入ったカップを持ったままの俺は、突然のことに暫し立ちすくんでいた。

 事態を改めて理解すると、俺も急いでロッカールームに向かうことにした。

 一瞬迷ったが、恥ずかしい思いをして搾ってくれた綾さんの母乳は、捨てられなかった。

 ストローを必死に吸って、一気にミルクを飲み干した。



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