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健二がズボンを揚げ、ベルトの音がカチャカチャ鳴ると、枝美子は我に返った。すでに行楽客の喚声や雑踏が間近に聞こえる。
枝美子は慌てて衣服を整えるが間に合わない。
係員がゴンドラのドアを開けた時にも、まだ第二ボタンをとめている最中だった。
結局ボタンどめは諦めて、スカートの裾だけ直して、ゴンドラを降りる。
係員の視線をブラジャーの覗く胸元に感じていたが、とても隠すどころではなかった。
プラットームの階段をあたふたと降りて地面に立ったときには、濁った粘液が太腿を伝い膝の下まで垂れ出していた。
枝美子は、冷静な思考力を失っていた。
トイレにも寄らず、そのままの状態で駐車場の車まで走っていた。
健二も後を追うように付いてきた。
枝美子は自分の車に辿り付くと、ボンネットに両腕を突いてハアハアと息を整えていた。
ひどく喉が渇いている。
少し息が落ち着いたところで、ふと自分の脚に目をやると、膣から零れ出た粘液が足首にまで伝い落ちていた。
「御免なさい。ちょっとやり過ぎてしまいました」。
その姿を横から見ていた健二が素直に謝った。
「本当に悪いと思ってるの」。
首を上げ、健二の方を向いた枝美子の目は妖しく光っている。
異様な殺気を感じた健二は、わずかに後ずさりしながら、再び頭を下げる。
枝美子は、一瞬首を振って周囲を見渡す。
「じゃあ、罰を受けてもらうわ。こっちに来て」。
枝美子は有無を言わさず、健二の腕を掴む。
健二の不安を押し切るように、枝美子は手を引いて歩きだす。
枝美子が歩いて行ったのは、駐車場の脇に置かれたコンテナハウスの裏だった。
二人が向い合せに立つと、枝美子は真っ直ぐ健二を見詰めた。
ハイヒールを踏ん張るように、少し足を開く。
「まずは私の脚を綺麗にして。ただし、手を使っちゃダメ。舐めて」。
ただならぬ殺気に、健二は拒否することなどできなかった。
枝美子の前に跪くと、細く締まった足首から舐め始める。
健二の舌は徐々に上がって行き、太腿の付け根辺りにまで辿り付いていた。
枝美子は自らスカートの前をたくしあげ、花弁を開いていた。
健二の舌が敏感な突起に触れる。
枝美子は感じて「あっ」と呻いた時、喉の渇きを思い出す。
健二の頭を手で押しやる。
「もう、いいわ。次はオシッコ」。
枝美子の指図の意味が解らず、健二がハテという顔をすると、枝美子はあらためて指示を出す。
「ここでオシッコをしてちょうだい」。
健二は、罰とオシッコの関係が理解できずにいた。
「私のオシッコを見たのだから、今度は見せてもらうわ」。
その言葉は、健二には滑稽に思えた。女にとって小便をするところを見られるのはひどく恥かしいことだとしても、男にとっては大して恥かしいことではないからである。
健二はズボンのジッパーを下げ、一物をとりだした。
枝美子の居る方向を避けるように、少し斜に向き直り、下半身に意識を集中させようとした。
「するのは地面にじゃないわ。私の口の中にしてちょうだい」。
その時、枝美子が声をかけた。
「そんな事できませんよ」。
健二が咄嗟に口にする。
「だから罰なの」。
枝美子が妖げに笑う。そして健二の前にしゃがむ。
「用意ができたら目で合図を送るから、そしうたらオシッコをしてちょうだい。もしもしなかったら噛み切っちゃうわよ」。
枝美子はそう言うと、健二の一物をパクリと咥え込んだ。
枝美子が目を上げ、健二を見詰めたが、健二はなかなか放尿できない。
健二の一物に枝美子の歯が当たる。
ハッとして健二は必死に尿道へ意識を集中させる。
なんとか放尿が始まった。
すると枝美子は目で微笑みながら、健二のオシッコをゴクゴク飲み始める。
あっけにとられながらも、健二は放尿を続けた。
この瞬間に、枝美子と健二の間に新たな食物循環が成立したのである。
枝美子はオシッコを飲みながら、そのままの姿勢で、自分もチョロチョロとオシッコを垂れ流し始める。
健二のオシッコを飲み尽くすと、ゆっくりと立ち上がり、健二に顔を近づける。
立ち上がった後も、枝美子の股間からは放尿が続いていた。口許からも一滴、雫が垂れる。
わずかに白い歯を見せた枝美子が囁く。
「こんなはしたない私でも好きでいられる?」。
健二は、股間の突っ張りを感じながら、枝美子の目をあらためて見据え、深く頷く。
枝美子は半ばはだけたままになったブラウスのボタンをあらためてはずし始める。
ブラウスの前が開き、露になったブラジャーからはカップに収めきっていなかった右の乳首がはみ出していた。
その重たげな乳房を引き出すように持ち上げると、乳頭からはまたミルクが噴き出す。
白汁の滴るオッパイを差し出されると、健二は何も言わず乳首をくわえた。
ミルクを吸いながら、手を枝美子のスカートの中に忍び込ませる。
枝美子の股間は、オシッコとは違うヌルヌルした粘液を溢れさせていた。
健二が二本の指を枝美子の身体の中に捩じ込ます。
少しの間、悪戯な指に身を任すと、枝美子は健二の顔を両手で挟み付けるようにして正面を向かせる。
二人で顔を見詰め合う。
枝美子の方から顔を寄せ、そのまま健二に唇を押し付ける。
少し開いていた健二の口の中に舌が差し込まれる。
舌と舌が触れ合うと健二もその意を解し、粘膜同士の感触を楽しみ始めた。初めて味わう強烈なディープキスだった。
長いキスが終わると、再び二人見つめ合う。
沈黙に耐えかねたように健二が口を動かしかけたとき、それを遮るように枝美子が言った。
「この身体は、あなたのものよ。これからは何時でもオモチャにしてちょうだい」。
そして、妖艶に微笑んだ。
(完)
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