真昼の情事/官能小説


  食物循環

                        蛭野譲二

   13.母乳の誘惑


  
 翌朝、目を覚ました枝美子は、昨夜の自己嫌悪が嘘のように気分よく朝を迎えることができた。

 天気は、その日も快晴で、少しぽかぽかした一日になりそうである。心無しか気持ちもうきうきしている。

 この日枝美子が身に着けたのは、乳首がぎりぎり隠せる程度のハーフカップのブラジャーと、レースをあしらった薄地の白いブラウス、クリームイエローのプリーツのスカートだった。

 このスカートの丈は、膝上十センチくらいで、それほど短いものではなかったが、軽い生地でできていて、かなり派手やかな色をしている。

 スカートを選ぶときに、一瞬、今日も訪れることになっている健二の顔が浮んだが、あえて深く考えないようにしていた。

 洋服を身に着け、姿見を見ると、ブラウスの下のブラジャーがかなりくっきりと浮び上がっている。

 少々大胆な格好にも思えたが、「独身の頃は、こんな服でも平気で着てたじゃない」などと自分を納得させて、特に着替えることもしなかった。

 朝食の片付けと洗濯が終わると、暫くして健二がやって来た。

 枝美子は、靴を脱ごうとする健二にスリッパを差し出した。

 ぐっと腰を落として自分の方を向いた枝美子のスカートの中を健二は素早く盗み見た。

 しかし、この時もパンティーは確認できなかった。

 枝美子の後について、ダイニングルームに向かうとき、健二は必然的に枝美子の背中を見る。そこにはブラウス越しにブラジャーのラインがくっきりと浮び上がっていた。

 健二をソファーに座らすと、枝美子はゴブレットを取りだし、そこに氷をいれた。

 そして、健二の前に来ると、ゴブレットを一旦テーブルの上に置き、ブラウスのボタンをはずし始めた。

 健二は、何か喋ろうとしたのを止めて、枝美子に注目している。

 「健二くんが飲んでくれるから助かるわ」と微笑みながら枝美子は、ブラウスの前を開いた。

 はち切れそうな乳房は、辛うじてブラジャーに収まっているが、カップの縁のレースからはピンクの乳輪が顔を覗かせている。

 枝美子が右の乳房を剥き出しにした途端、乳首の先からはミルクが勢いよく噴き出した。

 照れ笑いをしながら、ゴブレットを当てて乳房を搾り始めると、ミルクが数本の筋となって、さらに勢い良く氷の上に注がれて行く。

 この時、枝美子の乳房は痛いくらいパンパンに張っていた。実は、朝からミルクを搾らずに我慢していたのである。

 その解放感からか、健二に見詰められる恥かしさは多少薄らいでいた。

 左の乳房を入れ替りに引き出して、少し搾り出すと、なみなみとミルクの入ったゴブレットを健二に手渡す。

 枝美子は、健二がミルクを飲み出すのを確認する。

 「ここのところミルクがものすごく良く出るの。喉が渇いたら何時でもいってね。すぐに搾ってあげるから」。

 健二がミルクを飲むのが当然のように話しかけていた。

 枝美子の少し強引な誘導に健二は「はい」と答えるしかなかった。

 午前中健二は、昨夜の内に枝美子が選り分けておいた残りの雑誌や手紙類を束ねていた。

 たいした仕事量でもなさそうだ。ぱらぱら雑誌を捲りながらののんびりした作業である。

 ふと目を上げて窓の外を見ると、洗濯ものが干されている。枝美子のブラウスやスカートと下着類である。

 女兄弟のいない健二にとっては、皆かなり艶めかしいデザインのように思えた。

 スリップ、ブラジャー、ストッキングなどの下着類にはレース使いのものが多かったからである。

 健二は、ボーっと下着類を眺めていて、ある事に気が付いた。

 そこに干されていた下着の中にはパンティーが一枚も無いことである。それにストッキング類は全てセパレートタイプでパンストはやはり一枚も干されていない。

 「自分が訪ねてくることがわかっていたので、早々と取り込んでしまっていたのだろうか」そんなことを思って下着を眺めていると、枝美子の足音が聞こえてきた。

 健二は慌てて元の作業の続きをし始めた。

 「少し休憩しましょう」。

 枝美子に呼ばれた健二は、ダイニングルームのソファーに腰掛けていた。

 枝美子が烏龍茶の入ったコップと空のコップを持ってソファーに向かって来る。

 健二は、空のコップの意味を解して胸が高鳴った。ただ、その時の枝美子は真っ直ぐに健二の顔を見詰め、少し怖いくらいの感じに思えた。

 枝美子は、ソファーの所に来ると、何故か健二の向かいにではなく、すぐ隣に腰を降ろした。

 実は、このとき枝美子は、ある賭けに出ることに決めていたのである。

 両方のコップをテーブルに置くと、ブラウスの前をはだけ、瑞々しく張り切った乳房を剥き出しにする。

 そして、空のコップに手を伸ばそうとしたときに健二の方を振り向く。

 「もしよかったらオッパイを吸ってくれないかしら?」。

 咄嗟に「えっ」と声を出した健二は「僕、子供じゃないっスよ」と答える。

 「何時もオッパイを機械で搾っていると先の方が痛いのよ。それで吸ってもらえると助かるんだけどな」。

 枝美子がさらに健二に迫る。

 実際、搾乳機の真空状態を長く続けていると乳首が痛くなるのだった。手で搾ると残乳が多く、結局赤ん坊に吸われる時のようにうまく搾れなかったのは事実である。

 「こんな変なお願い、他の人には頼めないから。誰にも内緒で、ね」。

 健二はしぶしぶといった顔で首を縦に振る。

 それを確認した枝美子は、笑顔をつくると、重たげな左の乳房を持ち上げ、健二の目の前に差し出した。

 もちろん健二の内心は、しぶしぶどころか夢でも見る気持ちだった。

 目前に差し出された枝美子の乳房は、圧倒的な迫力があった。

 そのオッパイは枝美子の顔より大きい。ピンクの乳首は湿り気を帯びていて、白く濁った雫が垂れ出している。

 その姿を目の奥に焼き付けると、健二は大きく口を開け枝美子の乳首を含んだ。

 そして思い切り吸い始めると、口の中に液体がほとばしる。

 その液体は生温かく、味もほとんど感じられなかったが、「女のオッパイを吸っている」という事実に、今までにない征服感の様なものを感じていた。

 上目遣いに枝美子の顔を見上げると、枝美子が微笑みを返してきた。

 一頻り左の乳房を吸うと枝美子が「右のオッパイも吸って」と身体の向きを変える。

 その時、目線を落としていた健二には、枝美子の膝の辺りが見えた。スカートの裾がかなり捲れ上がっている。

 健二は再び乳首に口を付けた。

 不思議な快感が走り、股間が元気になり始めている。



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