真昼の情事/官能小説


  続・食物循環

                        蛭野譲二

   3.小旅行


  
 二日後。

 二人は、避暑地に向かう列車に乗っていた。

 まだ、夏休みになっていないこともあり、車内はそれほど混んでいなかった。

 列車が出発して暫くすると、健二は通路側に座っている枝美子の方を向く。

 「そのスカーフ、もうはずしたら?」。

 少し躊躇していた枝美子だが、健二の促すような視線に、やむなくスカーフをはずし始めた。スカーフは、枝美子の目立ちすぎる胸を隠すために着けていたものである。

 この日枝美子が着ていたブラウスは、襟の無いスクエアネックのもので、魅力的な凹凸を描く鎖骨の下に豊満な乳房が三分の一くらい露出するようになっていた。四角いネックラインは幅も広めで、ちょっとした拍子にブラジャーのストラップまでが覗けてしまう。

 二人きりのときは大胆になれる枝美子も、派手な洋服を着て衆人の目に晒されるのは、とても恥ずかしいことだった。

 健二の要望で着て来た洋服だが、あまりに人目を引いてしまうために、列車に乗るまでと言う約束でスカーフを掛けていたのである。

 やっとの思いで、スカーフをはずしたが、通路側が気になって、とてもそままシートに背を着けて座っては居られない。ついつい身体が窓際の健二の方に向いてしまう。

 深い胸の谷間を眺めていた健二は、それをいいことにブラウスの胸元に指を掛けて引き、中を覗き込んだり、弾力のある乳房を指で押し付けて凹ましたりして楽しんでいた。

 その事だけで枝美子は、頬を上気させ胸も火照り始めていた。

 そのうち健二は、ブラウスの上から乳房の頂上辺りをつっつき、さらに指で円を描くようにいたぶる。

 「だめよ、そんな風にされたら、漏れて来ちゃう」。

 枝美子が小声で訴える。

 それを聞くと健二は、にやりとした。

 「ちょうど僕も喉が渇いてきたところなんだ。飲まして貰おうかな?」。

 「えっ、ここで?、だめよ、目立ちすぎちゃう」。

 枝美子が首を振る。

 「直接オッパイを吸うんじゃないから、いいでしょ?」。

 健二はバッグに忍ばせていた透明な使い捨てコップを取り出してきた。

 「これに、ここで搾り出してよ。どうせもうパンパンに張ってるんでしょ?」。

 見透かされたように言われた枝美子は、しぶしぶ健二の要求を呑むことにした。

 周りを一旦見渡すと、通路に背を向け、ブラウスの合わせを開く。

 ブラジャーから引き出された乳首からは、健二の想像通りミルクが溢れ始めていた。受け取ったコップをあてがい、母乳を搾り出す。張り切った乳房からは、直ぐに勢い良くミルクが噴き出し、見る見るコップに白い液体が満たされた。

 「左のオッパイも搾っておいた方がいいんじゃない?」。

 健二はコップに注がれたミルクを一気に飲み干すと、そう促す。

 言われるがままにミルクを搾って、健二にコップを手渡そうとするが、健二の目線が不意に上がって行った。

 枝美子が振り向くと、そこには検札に来た車掌が立っていた。

 まだ乳房は剥き出しのままである。乳首からミルクを滴らせたまま枝美子は言葉を失っていた。車掌が「失礼しました」と言って検札もせずに立ち去ってから、慌てて乳房を隠したのであった。

 枝美子がブラウスを整え、やっとの事で落ち着きを取り戻すと、今度は健二がスカートの中に手を忍び込ませてきた。

 このとき穿いていたスカートは膝小僧が出る程度の長めのものだったが、前合せの布地は裾から三十センチくらいまでは縫い合わされていない。

 そこから健二が手を差し入れてきたのである。

 スカートの中は、ガーターベルトで吊ったストッキング以外何も身に着けていない。

 無防備な股間に、健二の手は難なく辿りついた。暫くは無毛の丘を軽く撫で回すだけだったが、徐々に指の動きが大胆になり、敏感なボタン転がしだす。

 先程の羞恥攻めで既に抵抗力をなくしていた枝美子は、健二のされるがままになっていた。しかし、指の愛撫を無視していたのではない。むしろ、喘ぎ声を出さないように必死で堪えていたのである。

 健二は、枝美子が感じ始め、蜜を溢れさせた頃合を見計らって、亀裂に指を捩じ込ませる。

 「やっぱり、もうヌルヌルだ」。

 耳元でそんなことを囁かれると枝美子もたまらなかった。

 指の動きは激しく動いては大人しくなり、また激しく蠢く。指だけで、ほとんどイッてしまいそうになっていた。

 一頻り枝美子を翻弄すると、不意に健二は指を引き抜いてみる。すると枝美子の身体の奥から、何時ものように大量の愛液が溢れ出してきた。

 再び手を差し入れ、それを感知した健二は、素早くハンカチを取り出した。愛液の量も並はずれて多い枝美子の場合、そのままだとスカートにお洩らしをしたようなシミができてしまうからである。

 健二は、スカートの中で溢れ出た粘液を手早く拭き取ろうとする。

 目を閉じてうっとりとしていた枝美子も、健二が何をしているかは理解できた。膝を開いて、健二の処置に協力する。

 そのことをいいことに、今度は指に絡ませたハンカチを泉の源泉に捩じ込む。

 「何をするの?」と枝美子は目で訴えかけるようにするが、結局、ハンカチは全て体内に押し込められてしまった。膝を閉じて少し抵抗も試みたが、愛液を垂れ流しにする訳にもゆかず、そのまま入れておくしかなかった。



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