真昼の情事/官能小説


  重役秘書

                        蛭野譲二

   3.スカートの中


  
 翌々日。

 義雄は、田崎とアメリカの件での最終的な打ち合わせをしていた。明日、田崎は出社せず家から直接空港に向かうことになっていた。

 打ち合わせが済むと、この日も田崎から仕事外の話を始めた。

 「たかだか二週間くらいのものだが、今夜が日本最後だ。今日はちょっと変わった趣向があるんだが、おまえも付き合うか?」。

 その言い方から、義雄も妖しい催しであることは理解できた。先日のように、一人寂しく帰ることになるかもしれないとも思ったが、どうせ独り身である。変に構えず軽い気持ちで付いて行くことにした。


 タクシーは、一軒のマンションの前で止まった。しかし、そのマンションには店舗らしいものは全く無くどう見ても住宅専用である。

 田崎に付いてエレベーターで上の階に行くと、田崎は一つの部屋の前で立ち止まった。

 表札には「香取」と書いてあった。ここは、小夜子の部屋なのである。

 ためらうこともなく、田崎はベルを鳴らした。既に何度も訪問しているに違いない。

 ドアが開き、中に入った義雄は、玄関にたたずむメガネをはずした小夜子の姿を見て、確かに艶めかしい感じを受けていた。

 小夜子の着ていたブラウスは、先日のようなシースルーではなかったが、それでもかなり下着が透ける薄手のノースリーブだった。しかし、それ以上に義雄の目を引いたのは、彼女の下半身である。

 小夜子が穿いていたのは、膝上二十センチ以上はありそうな、ボックスプリーツのミニスカートだった。自分の家の中とはいえ、二十代後半の女が着るにはいささか大胆である。

 しかも、彼女はストッキングも穿いていたし、室内であるにもかかわらず、高さが十センチ近くもあるピンヒールのサンダルを履いていた。一瞬、西洋風に靴のままで生活しているのかとも思ったが、二人にスリッパを差し出していたので、そういうわけでもなさそうだ。

 スリッパに履き替えると田崎はずけずけと奥の方に歩いていった。

 「お待ちしていたんですよ。課長さんも、どうぞ」。

 義雄が少し躊躇するように立ったままでいると、小夜子が笑顔で部屋へ案内をした。

 居間は洋風の造りで、十畳ほどの広さがあった。部屋のほぼ中央にはソファーのセットが置いてあり、田崎と義雄は向かい合うように座った。

 挨拶もそこそこに小夜子は、冷蔵庫からビールを取り出しにいった。ソファーの間のテーブルには、何点かのつまみ類が並べられていて、確かに田崎たちが来るのを待っていたようである。

 冷えたビールとグラスを持ってきた小夜子は、それを一旦テーブルに置くと、絨毯の上に両膝を揃えて突いた。

 「わざわざこんなむさ苦しい所へお越しいただきまして有り難うございます。今日は精一杯のお持てなしをさせていただきますので、ごゆっくりおくつろぎください」。

 馬鹿丁寧な口上の上に、三つ指までついて深々と頭を下げた彼女を見て、義雄はただならぬ雰囲気を感じていた。

 小夜子は、膝を突いたまま位置を変え、二人にビールを注いで回った。揺れるミニスカートからはみ出した太腿を眺めて、義雄はそれなりに楽しんでいたが、田崎は少々不満げであった。ただ、このときは何も言わなかった。

 酌が済んだところで彼女はキッチンの方に行き、まだ何か肴でも拵えているようだった。

 義雄が田崎のグラスにビールを注ぎ足すと、田崎がおもむろに口を開き始めた。

 「もう察しはついてると思うが、あれは俺の女なんだ。今日お前を呼んだのは、アメリカに行っている間、あの女の面倒をみてもらいたいと思ったからなんだ。ただ、前にも言ったように、小夜子は普通じゃないからな。もしも今夜、彼女の本性を知って、とてもついて行けないと思ったら、それっきりで構わない。どんなことがあっても他人にだけは口外するなよ」。

 小声で話す田崎を見つめながら、義雄の期待は当然のように高まっていた。

 「おいっ、もうビールが無いぞ」。

 田崎の声に小夜子は、急いでビールを持ってきた。

 また両膝を突いて、義雄のグラスに注ぐ。その様子を田崎は少し険しい目つきで見詰めていた。

 「何時もと作法が違うだろ」。

 その言葉に小夜子は一瞬びくっとしていた。

 「申し訳ございません」。

 そう言うと、今度は田崎のグラスにビールを注ぐ。

 しかし、このときの小夜子は、田崎の方を向き、あえて片膝を立てるようにした。

 スカートが捲れ揚がった左脚のストッキングは全て剥き出しになっていた。この時も彼女はストッキングをガーターベルトで留めていた。

 義雄の位置からでは角度が悪いので、それ以上は見えなかったが、ほぼ正面にいた田崎からは太腿の付け根までが丸見えのはずである。

 小夜子がビールを注ぐ間、田崎は目線を落としていた。スカートの中を眺め終わると、途端に田崎の機嫌は良くなり、注がれたビールをグイと飲む。

 「小夜子。壁を向いて、そこに立ってみろ」。

 何を思ったか、田崎が急に指示を出す。

 小夜子は言われるがままに二人に背をむけて、ソファーの間に直立した。短いスカートから伸びた脚は、真っ直ぐで細すぎず、適度な肉がのっている。

 ほんの暫くそれを眺めると、田崎はそっと手を伸ばし、勢いよくスカートを捲り上げた。

 「いやーん」。

 咄嗟に声をあげた小夜子は、恥ずかしそうにその場にしゃがみ込んでしまった。

 しかし、義雄はその一瞬の出来事を見逃さなかった。そして、目を丸くして田崎の方を向く。

 「どうやら、見えたようだな」。

 田崎は義雄の顔を見て、大げさに笑いを浮かべた。

 義雄は、ただ単に小夜子のお尻を見たのではない。スカートの下に隠れたお尻を見たのは確かだが、その光景は想像していたものとは全く異なっていた。

 スカートが捲れたとき見えたのは、双臀が完全に剥き出しの裸のお尻だったのである。二つに割れたお尻が一つにつながる部分にも何の布地も見あたらなかった。小夜子は、初めからスカートの下に何も穿いていなかったのである。

 「小夜子。もうバレてるんだから、そんなことをしたって無駄だぞ」。

 まだ、しゃがんで短いスカートを押さえていた小夜子に田崎が追い討ちをかけるように言い放つ。

 「今のじゃ時間が短すぎるからな。お前の好きな広田課長にもっとじっくりと見ていただきなさい」。

 田崎の命令が下ると、小夜子は顔を真っ赤にしながらも立ち上がり、また二人に背を向けた。

 そして、両手を後ろに回し、スカートの裾を掴む。迷うように一呼吸置くと、自らの手でゆっくりとスカートを捲り始めた。

 白っぽいストッキングの上の部分が全部見えると、白いガーターに挟まれた形の良いお尻が露わになる。腰に巻き付いたガーターのベルトの部分までが見えると、小夜子はそのままの姿勢を保ち続けていた。

 「どうだ広田。驚いただろ」。

 田崎は得意げに話しかける。

 「この女のスカートの中は、何時もこんな風になってるんだぞ」。

 「何時も?」。

 「そうだ、小夜子は夜に限らず昼間もパンティーを穿いてないからな」。

 言われてみれば、彼女のお尻には下着の痕が全くない。すべすべのお尻はあくまで丸く、鑑賞を邪魔する皺などもまるで見あたらなかった。

 「この女はな、会社で仕事をしてるときから、ずっとノーパンなんだ。毎日、スカートの中でアソコを丸出しにしたまま、お前の所にもコーヒーを持って行ってるんだよ」。

 その言葉を聞いた途端、義雄の股間は疼きはじめた。

 「小夜子はな、俺と付き合いだす前からノーパンで男あさりをしてたんだ」。

 「…、そんなこと言わないでください」。

 「じゃあ、何で会社にノーパンで来ていたんだ。えっ。広田、俺がこの女と付き合うようになったのは、ひょんなことからパンティーを穿いてないことを知ったからなんだ。毎日すました顔をしながら下はスッポンポンで居やがったんだよ」。

 田崎は、言葉でも小夜子を嬲る。

 「小夜子、もう何年パンティーを穿いてないんだ?」。

 「…」。

 「この女は、お前の前じゃ猫を被ってるが、会社にも一度もパンティーを穿いて来たことが無いんだ」。

 言葉でいたぶり続けていた田崎は、次にもっと過酷な命令を下した。

 「ケツはもういい。次は前を見せてみろ」。

 命令を聞くと、小夜子は盛んに首を振っていた。一応二人の方を向いてはいたものの、明らかに拒絶反応を示していた。

 しかし、田崎も譲らない。

 「言うことがきけないのか?。俺に恥をかかせるつもりか!」。

 声をあらげた、田崎の様相を見て小夜子は慌てて許しを乞う。

 「どうか、お許しください。どんなご命令にも従います」。

 「そうか。じゃあ、お前の言葉で広田課長に挨拶をしてから見てもらえ」。

 ほんの暫く俯いていた小夜子だが、意を決するように義雄に向き直ると、スカートに手をかけた。

 「課長。淫乱な小夜子の恥ずかしい部分をじっくりとご覧になってください」。

 消え入りそうな小声での言葉が終わると同時にスカートの裾が揚がり始めた。太腿が全て明かりに照らされると、次に女の中心部分が姿を現す。

 義雄は、その一点が見えるのを固唾を飲んで待っていた。

 そして、ついに小夜子の女である証拠が明かりに照らされた。そこは、縦の亀裂の間からピンクの肉片が意外なほど多く顔を覗かせていた。

 そのこと自体は、義雄の期待からはずれたものではなく、むしろ歓迎されるべきことだった。しかし、裾が亀裂の上まで揚がったとき、義雄はまたしても驚かされることになった。

 小夜子の下半身には繊毛の翳りが無く、恥丘は少女のままのようにすべすべだったのである。

 「えっ、パイパン?」。

 驚いた義雄は、咄嗟にそう口走っていた。

 「そうだ。別に剃ってるわけじゃないからな。その意味じゃ確かにパイパンだ。ただし、生まれつきっていうわけじゃないんだ。小夜子。お前の口からちゃんと言え」。

 恥ずかしいポーズを取らせたまま、田崎は小夜子に説明を求めた。

 「はい…。以前は剃っていたんですが、私が剃るのが下手だったので、脇と下の毛は全部永久脱毛していただきました」。

 「そう言うわけで、首から下には、もう一生毛の生えない身体になってるんだ。広田、お前はパイパン女は好きか?」。

 「はあ」。

 急に質問されて、生返事になってしまったが、義雄は元々陰毛の薄い女が好みだった。風俗の女たちと接するときも、たまに剃毛済みの女に当たると俄然燃えるタイプだったのである。

 「それは丁度良かった。この女は昔は随分やりまくっていたようだが、ツルマンにしてからは随分大人しくなったんだ」。

 「…、そんなー」。

 「じゃあ聞くが、今までに何人の男と寝たんだ?」。

 「…」。

 「どうせ二、三十人じゃきかないだろう。毎日ノーパンで男を誘い続けていたんだからな。この女は何時でも生で中出しさせる公衆便所みたいな女だったんだ。今までに一度や二度は妊娠したこともあるはずだ。それが、毛を剃ってからはめっきり男の数が減ったんだ。さすがにパイパンじゃ恥ずかしくてなかなか男と寝れないらしい」。

 「妊娠したことなんかありません」。

 田崎に嬲られるだけ嬲られていた小夜子だが、この件に関してだけは、妙に強く否定してきた。

 「ふーん、そうか。まあいい、その件は後だ」。

 一瞬険しい表情になった田崎だが、すぐに冷ややかな表情になり話を変えた。

 「小夜子。そこに座って、自分で広げて見せてみろ」。

 田崎の命令は、徐々に過激さを増してゆく。

 小夜子にはあまりに恥ずかしい命令だったが、もはや拒絶する仕草はみせず、素直に絨毯に腰を下ろした。ややゆっくりではあったが二人の男の目の前で両脚を大きく広げる。

 スカートは既に捲れ揚がり、小夜子の無毛の中心部が丸見えになっていた。しかし、田崎の命令の意味は、それ以上のことが含まれていた。

 彼女は両手を股間に運ぶと、花弁を両手の各々の指先で押さえ、左右に広げていった。少し大きめの内側の唇は引っ張られてさらに伸び、ピンクの中庭が姿を現す。

 てかりを帯びたそこには、女の穴がぽっかりと明いていた。しかも、その少し上には、膀胱につながる小さな穴までもが見えていた。

 「広田。お前この女がいやいややっているように思ってるだろ?。だが、心配は無用だぞ。そのまま、見ててみな」。

 田崎の言葉が正しいかどうかの答えはすぐに出た。女の下の口から粘り気の強い透明の液がドロッと零れ出てきたのである。

 恥ずかしさに顔を俯かせていたにもかかわらず、彼女の身体は燃え始めていたのである。

 「辛すぎます」。

 情けないほどに恥ずかしい女の性を示してしまった小夜子は、耐えきれずに両手を離して顔を覆っていた。

 「仕方のないやつだ。じゃあ、ケツをこっちに向けて這いつくばれ」。

 おずおずと小夜子はその命令に従う。

 「ほら、もっとケツを上げろ」。

 パシッと田崎の平手が丸いお尻に飛ぶ。

 「どうだ広田。いやらしい形をしてるだろ。後ろから見ても肉がこんなに割れ目からはみ出してるんだぜ。ほら、指でも突っ込んでやれよ」。

 田崎に気兼ねをしながらも、義雄は右手の人差し指を第二関節まで差し入れてみた。そこは、十分に湿り気を帯びていて、想像以上に熱かった。

 「何も俺に遠慮することはないんだぜ。そん何んじゃ、小夜子はまだ不満だぞ。こうやるんだよ」。

 田崎は小夜子の斜め後ろに座り込むと、両手を尻たぶに当てる。お尻を割るようにして、左右の人差し指を女の機関にねじ込ませる。指の付け根近くまで押し込んだところで、両手をグイと引き離すようにした。

 小夜子の洞窟は大きく広がり、奥の方までが明かりに照らされる。中では肉色の襞が蠢き、生物的な反応が繰り広げられていた。

 田崎が親指で女の敏感な突起を転がすと、小夜子は腰を揺らして喘ぎ始めた。まだ二本の指を呑み込んだままの肉の洞窟から夥しい量の粘液が溢れ出していた。垂れ落ちた愛液は太腿を伝い、ストッキングにシミを作っていた。

 田崎が手を離すと、小夜子はその場に崩れ落ちる。しかし、彼女に田崎は休憩の暇を与えなかった。

 「なに寝転がってるんだ。酒が無いぞ。何時ものやつを持って来い」。

 少しふらつきながらも小夜子は起きあがり、キッチンに向かった。

 暫くして、トレーに載ったブランデーのセットが運ばれてきた。

 ところが、そこにあったのは普通の水割りのセットとはちょっと違っていた。

 ナポレオンのボトルにタンブラー、それにマドラーの刺さったアイスペール。そこまでは極普通なのだが、水差しに入っていたのは、水ではなく白い液体が入っていた。

 初め義雄は、それがカルピスか何かの乳酸飲料のように思えた。

 「これ、何ですか?」。

 「これがけっこういけるんだ。まあ、飲んで見ろよ」。

 田崎の意味ありげな言い方にも小夜子は全く反応せず、黙ってその飲み物でブランデーを割っていた。

 男二人の前にグラスが差し出されると、田崎が義雄にあらためて乾杯を促す。

 「今日は祝杯だ。広田、お前は俺の思った通りだよ。ここまで小夜子の本性を見ても逃げ腰にならないんだからな。アメリカに行ってる間、この女を抱いても構わんぞ」。

 「ええ?」。

 田崎の口から出た言葉に、義雄が聞き返す。いくら何でもそこまで大胆なことを言うとは思っていなかった。

 「不思議か?。この女は今まで見たのでも解るように、ど淫乱なんだ。三日も男無しにしたら狂い死にしそうなんでな。それに、これは小夜子の希望でもあるんだ。お前になら苛められても構わんそうだ」。

 義雄が反射的に小夜子の方を見ると、彼女は頬を染めながらも小さく頷いていた。

 「申し訳ないが、今日だけは『最後の一発』をさせてもらうが、明日からはお前が好きなように、この女をオモチャにすればいい」。

 田崎はそれだけ言うと、手に持ったグラスを勝手に義雄のグラスに当てて、また飲み始めた。

 義雄もつられて、グラスに口を近付ける。鼻にはブランデーの香りに続いて仄かに牛乳のような匂いが感じられた。口に入った「カクテル」は、意外に飲みやすく、これならば何杯でもいけそうに思えた。味は、ウイスキーの牛乳割りをもう少しあっさりさせたような感じだった。



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