真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   33.情緒不安定


  
 冬の間は、綾さんも流石に厚着になり、例の透けブラはあまり見れなかった。

 スカートの方も膝上ではあったが、やや長めになり露出度という点では、正に冬だった。

 それでも綾さんの母乳は、ほとんど変わることなく出ていたから、俺の目の前でオッパイを晒すことは、日常的に続いていた。

 彼女の冬の装いで俺が気に入っていたのは、セーターを纏ったときだ。

 白っぽいセーターのときは、僅かにブラが透けていたし、透けないまでもブラジャーの輪郭が凹凸となってはっきりと分ったからだ。

 外出の際は、あえて避けていた様だが、そんなに寒くない日に着ていた薄手で伸縮性の高いセーターは、そそられるものがあった。

 肌にピッチリと張り付くような感じになるんで、もの凄く胸が強調されるんだ。

 彼女のウエストは六十センチを超えてなかったんじゃないかな。

 「妊娠する前は、五十台半ばをキープしてたのよ」とか言ってたことがあるし、「結婚前に買ったスカート穿いちゃった」と言ってたことから照らし合わせると、五十センチ台に納まっていたと思う。

 その引き締まったウエストとメーターオーバーのバストの落差は、見応えがあった。

 たまには、そんな姿の綾さんを見ながら食事や世間話もして居たんだ。

 ただし、薄手のセーターを纏った彼女とエッチをする機会はあまりなかった。


 ある日曜日、朝から綾さんに起こされた。「朝ごはんを一緒に食べよう」と誘われた。

 休みの日は、飯より寝ていたい方だったが、まあ何とかジャージを着て食堂の席に付いたんだ。

 綾さんは、厚手の膝下のスカートに薄手のセーターを着ていた。

 下は地味目なんだが、上半身は前述の通り見事な体型を浮き出させていた。

 聞けば、「今日は、息子に会う日」だとのことだった。

 「だから、今晩のご飯は期待しないで」。

 もちろん綾さんは、俺に日曜の晩御飯を作る義務はない。

 ウキウキした様子の彼女にしてみれば、自分だけ好い思いをするのに、ちょっとばかり気が引けたんだろう。

 それで晩の替わりに朝飯を作ってくれたようだ。

 ただ、このときは、既に搾ってあったミルクを一杯出されただけだった。

 この頃は、綾さんが外出するとき俺が部屋に居れば、「外で粗相がないように」とか言って、オッパイを吸ってくれるように頼まれることも多かったんだ。

 でも、この日の朝は、そういったことも無く、ウキウキの綾さんは直ぐに出かけて行った。


 この日、特段の用事もない俺は、部屋で音楽を聴いたり、ネットで遊んだりしていた。

 夕方のあまり遅くない時間に、ドアがノックされた。綾さんだ。

 「予定より早く帰ってきちゃった。外で買ってきたものだけど、もし夕食まだだったら一緒に食べよ。食堂は寒いから下に来て」。

 朝とは打って変わって沈んだ感じだった。

 俺の返事も聞かず、綾さんは一階に降りていった。

 「こりゃあ、何か有ったなー」とは、思ったんだが、断るわけにも行かなかった。

 一階のテーブルには、買ってきた寿司や缶ビールが置かれていた。

 「さあ、食べて」とは言ったものの綾さんは、俯き加減のままで全く食が進まない様子だった。

 ちょっと見るに忍びなく俺は声をかけたんだ。

 「何か有ったんだったら、話してくださいよ。面白くないことでも、僕がはけ口になりますよ」。

 「ありがとう。じゃあ、愚痴ちゃっていいかしら」。

 「ああ、もちろんですよ」。

 綾さんは、ビールを一口飲むと話し始めた。

 「今日、駿と会ってきたのは、知ってるわよね?」。

 「ええ」。

 「離婚して会ったのは二度目なの。元の旦那は来なかったけど、向こうのおばあちゃんが連れて来ていたの」。

 「て、ことは、お姑さんと何か有ったんですか?」。

 「いいえ、それも有ったけど、むしろショックだったのは息子の方。もう全然おばあちゃん子になってて、私なんて『たまに会うオバちゃん』って感じ」。

 「じゃあ、もうお母さんってことが解らないんですか」。

 「うーん、知識としては知ってるんだろうけど、何処と無く『他所の人』って感じでー、何か不安があるとサッとおばあちゃんにすがり寄るのよ」。

 「そりゃあ、ちょっと寂しいですね」。

 「オッパイも効果無しなの。ちょっと恥ずかしかったけど無理してこの身体にフィットするセーター着ていたっの。どうせ外ではコート着てるからと思ってね。でも駿は、触ろうともしないのよ。チラッチラッと目で追うことはあっても『他所のオバさん』だと思ってか、歩くときに手を握るだけなの」。

 「お姑さんが居なかったら、抱きついて来てたかもしれないじゃないですか。僕なんかは、綾さんのオッパイは最高だと思いますよ」。

 「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ。でもね、息子も二歳になってるし、一年近く本物のオッパイ吸ってないんだもの。多少オッパイに懐かしさを感じたとしても、しょうがないかも知れないわね」。

 「お姑さんの隙見て、オッパイを押し付けたりしたら、思いが戻ってきたかも知れないですね」。

 「でも、それは無理ね。結婚してるときも、おばあちゃんからは『早く断乳した方がいい』て言われてたし、今日なんかも『ね、大きくなったでしょ。もう完全に乳離れしてるでしょ』ですって。失礼しちゃうわ」。

 元のお姑さんとのことになると、やっぱり少し不機嫌になるようだ、これは女の性なのかもしれないと思った。

 「駿に見詰められて胸がジンジンして来てたのに『お乳が止まっても相変わらず立派な体型ね』って言ったのよ。『まだ赤ちゃん二、三人は養える分出てますよ』って、言ってやりたかったわ」。

 「だって別れて一年近く経ってるんでしょ。まさか向こうは、こんなにミルクが出続けてるとは思わないよ」。

 「それはそうだけど……。『今晩は、おじいちゃんと外で食事することにしてるの。綾さんも来る?』ですって。私が息子と会うことが判ってる日に何で勝手に予定入れてるの?もう信じられない。頭に来ちゃったし、お乳も漏れ始めてたから帰ってきちゃった」。

 こんなに興奮した綾さんを見たのは、後にも先にもこれっきりだった。


 「帰りにデパートのトイレで少しは搾ったけど、まだカチンカチンなの。駿くん、吸って」。

 少しだけ落ち着きを取り戻した綾さんが立ち上がろうとした。

 「でも、張りすぎてるんじゃあ上手く吸えないから、まず少し搾ったら?」。

 俺は、不用意にそんな言い方をしたんだ。

 「いいから!!今日は吸ってちょうだい!」。

 この剣幕には、ビックリさせられた。

 俺は、飛び上がるようにしてソファーに移った。

 セーターをピチピチに突っ張らせて近寄ってくる綾さんの胸は、魅力を超えて凶器のようにも思えた。

 俺の横に浅く腰掛けると、怒りを抑えるように少し無理に笑みを浮かべる。

 「ごめんなさい。ちょっと腹が立ったものだから…」。

 言うと、セーターの裾に手を入れ、引き上げようとしていた。

 だが、少しきつめのセーターは、容易には捲くれ揚がらず、ちょうどオッパイに引っ掛かるような状態だった。

 俺がそこに手を添え手前に引くと、ボスンという音とともに生地が捲くれ揚がったんだ。

 いつも見慣れてるはずだった綾さんのオッパイは、凄いことになっていた。

 浅めだっだブラジャーの縁がオッパイに食い込んで、上と下の間がくびれるようになっていた。

 カップから食み出た上三分の二くらいは、綺麗な球形が崩れてボコボコしていたんだ。

 首とオッパイの間に丸まったセーターに綾さんが何とか手を突っ込みブラのストラップを肩からはずす。

 それまでの圧迫から開放されたオッパイは、ブルンと振るえてさらに迫り出してきた。

 カップがオッパイの下の方まで下がると、一際大きく広がった乳輪が姿を現す。

 もうこの頃、綾さんの乳首は綺麗なピンク色に戻っていた。だがその大きさは、未婚の女性とは顕かに違う。

 ちょうど乳首を通るように乳輪の左右には、ブラジャーの跡が生々しく付いていた。

 間もなく突端からシュルシュルとミルクが噴き零れ始める。あっと言う間にそれは白い噴水になった。

 「ね、早く吸って」。

 言葉にハッとして、巨大な乳房に両手を添えてみる。

 オッパイは掴み所が無い程にカチンカチンだった。

 口を寄せ咥えようとしても、いつものように乳輪ごとは上手く口に含めなかった。

 だが、少し吸うだけで口から溢れるほどの母乳が湧いてきた。

 少しでも早く綾さんを楽にしようと、夢中で母乳を飲み込んでいったんだ。

 初めは短いピッチで左右の乳首を交互に吸った。少しずつ片方を吸う時間を永くしていくと、オッパイを掴んだ指先が僅かに肉に食い込むようになっていた。

 十分くらいは吸っていたと思うが、それでも吸っていない方のピンクの突端からはミルクが漏れ続けていた。

 綾さんが俺の頭をやんわりと押しのける。

 「ちょっと待ってね。これ脱いじゃうわ。それとコップを片方に当てとくようにするから」。

 頭からすっぽりセーターを抜き捨てると、立ち上がり流しの方からグラスを持ってきた。

 膝枕状態で、またオッパイを吸い始める。

 今度は綾さんも飛び散る母乳を気にすることなく、俺に授乳し続けた。

 無理に左右を替える必要がなくなると、俺も腰を据えてオッパイを吸えるようになった。

 ふと見上げると綾さんは、いつもの優しさに溢れる顔に戻っていた。

 軽く頭を撫でられると俺も、なんだか落ち着く。

 このときは、何だかんだと三十分くらい乳首を咥えてたんじゃないかな。

 腹もパンパンになり母乳も飲み飽きた頃、あることに気付いたんだ。



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