真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   27.電車の中で


  
 その日は、午前中のあまり早くない時間に下宿を出たんだ。

 天気は、ほぼ快晴で、十月にしては珍しいくらい温かく、ともすれば汗ばむほどの陽気だった。

 天気予報でも「ここ数日は温かく…」と言っていて、変に寒くなる心配はなかった。

 綾さんは、僅かに下着が透ける程度の白系のブラウスにカーディガンを重ねて着ていた。

 下は膝小僧が出るくらいのストレートのスカートだった。

 家の中じゃ、ミニばっかりだったが、流石に外出じゃあ太股が半分以上露出するようなスカートは穿けなかったのだろう。

 でも「なるべく若々しい格好の方がいいよ」と言っておいたのが功を奏したのか、スカートの左前には、二十センチくらいのスリットが入っていた。

 足元は、踵が七、八センチあるサンダルで足首にストラップを巻きつけるようになったヤツだった。

 家を出るとき、その清楚で色気漂う格好につい見とれてしまった。

 「へえー、色っぽいですねー。特にスカートやハイヒール、堪らないですよ」。

 本当は、もっと地味目にしたかったかもしれない彼女を勢いづかすために、そんなことを言ったと思う。

 「私、昔っからハイヒール履くことが多かったから、踵が高いのは苦にならないの。それに前にも言ったでしょ。少しは下を目立たせないと、胸ばっかり注目されちゃうって」。

 ヨイショは判っていたんだろうが、彼女もまんざらでもない様子だった。

 ただ、このときの綾さんの持ち物は、旅行カバンと大き目のショルダータイプのハンドバッグと、一泊の温泉旅にしては多いように思った。


 俺達は、電車に乗って温泉宿に向かうことにしたんだ。

 田舎育ちの俺は、私鉄の特急列車っていうのに始めて乗った。

 通路を挟んで左右に二人掛けの席があるのは、長距離の特急と変わらなかったが、雰囲気が随分と違うんで、初めは物珍しくキョロキョロしていた。

 座席には、綾さんが窓際に座り、俺はその左の通路側に座った。

 平日ということもあったのか、時間帯がずれてたのか、列車はガラガラだった。同じ車両には、俺達の他二、三組の客しか居なかったんだ。

 電車が動き出して暫くは、綾さんと簡単に話をしたり、彼女の顔をかすめるように視線を向けて、窓の外の景色を眺めていた。

 新幹線などと比べると、電車と隣接する家々の距離が妙に近く、いかにも街中を走ってるって感じだった。

 綾さんとの会話も少なくなり、車窓の景色にも飽きてきた頃、俺はちょっとした悪戯を開始したんだ。

 それとなく綾さんの膝に手を置く。

 スカートには深いスリットが入っていたから左の裾が落ちてストッキングに包まれた太股のサイドが見えていたんだ。

 綾さんが鬱陶しがらないのを確かめて、少しスカートの布地をずらすと、ストッキングの上の部分が見えてきた。

 このストッキングはパンストなどではなく、セパレートのものだった。スリットのお尻に近い方にガーターベルトがあるのが確認できた。

 以前に告白されたように、綾さんはパンストを穿かない人なんだ。

 それが判ると俺の右手は、さらに積極的になっていった。

 指先をそっとスリットの間に滑り込ませ、掌で直接ストッキングをなでるようなポジションをとった。

 僅かに身体を動かすようにしていたが綾さんは相変わらず、右肘を突いて車窓の景色を眺めていた。

 さらに調子に乗って、右手を太股の稜線伝いに遡らせた。

 そのとき、綾さんの手が膝に置かれ、スカート越しに俺の手をやんわり制止したんだ。

 ここで、強引にするのは得策じゃないと思った。だけど、手をスカートから引き抜くこともせず、そのまま右手を暫く置いたままにしていた。

 何時しか綾さんの手は、膝を離れていた。

 俺は、電車の揺れに合わせてほんの少しずつ、掌を目的地に近付けていくことにした。

 指先は太股の峰を回り込み、既に湿気が感じられるほどに深く入り込んでいた。

 「こらっ。悪戯な手ねー。ガードがないんだから、ダメよ」。

 ついに綾さんから窘められてしまった。

 でも、俺はその言葉尻を取ったんだ。

 「『ガードがない』って、今も穿いてないの?」。

 「そんなこと、ここで言えるわけないでしょ」。

 途端に綾さんは頬を染めて俯いてしまった。

 そのとき電車が少し大きく揺れたんだ。駅に近づいてポイントの上を通過したようだった。

 俺はその機を逃さずに、指先を股間に捻入れた。

 そこには、俺の期待を裏切ることなく、少し湿った柔肌があるだけだった。

 「へへえー。穿いてないの確認しちゃったー」。

 「あん、いや」。

 電車は途中駅に止まった。俺はもっと綾さんをからかってみようと思った。

 「この人、パンツ穿いてませんよー」。

 少し上体を伸び上がらせて、極小さな声で振れ回るように言ったんだ。

 これには、綾さんも相当にうろたえたようで、ちょっとしたもみ合いのような状態になった。

 ちょうどそのとき、カタン、プシューと前側のドアが開いたんだ。

 少しガヤガヤしながら三人の乗客が入ってきた。この駅から乗ってきた乗客らしかった。

 俺と綾さんは急遽平静を装う。俺の片手は相変わらずスカートの中だった。

 乗り込んできた乗客たちは、結局この車両を素通りして、後ろの車両に移っていった。

 電車が再び走り出し、車内に落ち着きが戻ると、俺はまた綾さんのアソコを弄り始めた。少しネチョネチョしてきた感じだった。

 「ねえ、お願い。ここでは我慢して。このままだとスカートにシミが出来ちゃうわ」。

 彼女も身体は少し感じてきていたが、まだ理性が勝っていたようだ。

 「でも、綾さんのココとか、オッパイに触れてると、何だか凄く落ち着くんだ」。

 うそぶく俺に綾さんは、対案を出してきた。

 「もうそれくらいにして、お願い。その代わり、ここでミルク搾ってあげるから。今は、それ飲んで我慢してて」。

 綾さんにしてみれば、この場でオッパイを揉まれるのもまずいだろうから、かなり勇気のいる提案だったと思う。それに電車の中で綾さんがオッパイを出してくれるなんて思いもしなかった。

 どうせここでは、俺もズボンを脱ぐわけにも行かないのは確かだし、ここは素直に綾さんの提案を受け入れることにした。

 一回だけ綾さんの中に中指を軽く押し込んで、俺は手を引いた。

 解放された綾さんは、足元に置いてあったハンドバッグを膝に抱え、何かを探していた。

 バッグから引き出されたのは、巾着袋状態のピンクの布袋だった。その中には、搾乳機が入っていた。

 「ここで直に吸うのは勘弁してね。駿くんは吸うのが上手いから、直接吸われたらお乳が止まらなくなっちゃうでしょ。だから、これで…」。

 「へえー、わざわざ持って来てたんだ」。

 「ええ、安全のためにね」。

 搾乳機を完全に取り出すと、綾さんは軽く腰を上げて周りの様子を確かめた。

 そして、気持ち窓の方に身体を向け、ブラウスのボタンをはずし始めた。

 はずしたボタンは三つだけで、ちょっとやり難そうにブラジャーのカップを引き下げる。

 かろうじて左の乳首が覗くくらいだったが、それでも剥き出しになったオッパイの上半分は、顎に触れるくらいポッコリと盛り上がっていた。

 綾さんはまた周りの様子を窺うようにしてから、搾乳機をあてがいスイッチを入れた。

 電車の音に掻き消されて搾乳機のモーター音は、ほとんど聞こえなかった。覗き込むように顔を寄せるとプーンという音が聞こえる程度だ。

 いつもだったら搾る前にオッパイの付け根辺りを押し上げるようにして、母乳の分泌を促すんだが、この時はそれをしなかった。

 「今は漏れを防ぐくらいのつもりにしておかないといけないからなの」。

 顔を真っ赤にした綾さんが、そう言っていた。

 それでも、目盛りの付いたビンには、見る見る母乳が溜まっていた。

 綾さんは、恥ずかしそうに顔を赤らめたままだった。

 「駿くん、そんなに見つめないで。それより、人が来ないかどうか、ちゃんと見ててね」。

 あまりにまじまじと見てたんで、また窘められちまった。

 ビンに半分くらいミルクが溜まったところで、一旦オッパイを仕舞い、今度は右のオッパイを引き出す。

 こちらも、けっこうな勢いで母乳が出ていた。

 幸い他人に見られることもなく、搾乳機一杯の母乳を搾り終えた。

 綾さんは手早く母乳パッドを入れなおすと、そそくさとブラウスのボタンを留め戻した。

 「はい、これ飲んでね」。

 ポンプ部分がはずし取られたビンを差し出された。

 一口母乳を飲むと、たった今まで電車の中で恥ずかしそうにオッパイを出していた綾さんの姿が蘇り、股間が急に熱くなってきた。

 オッパイを搾る彼女を見ている最中は、そうでもなかったのに、不思議な感じもした。

 この頃は、いつも母乳を飲んだ直後に綾さんの身体を頂いていたから、条件反射みたいになってたのかもしれない。



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