真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   18.至福の時


  
 「ありがとう、もう大丈夫だと思うわ」。

 綾さんが俺の肩をやんわりと押しのけると、また向き合いになった。

 そのまま、真っ直ぐ俺の目を見据えていた。

 「最初に一つ聞いておきたいんだけど。ひょっとして初めて?」。

 「いえ。ただ、有るには有りますけど、そんなに多くはないです。えー、二回だけです」。

 せっかく童貞と思ってくれてたんだから、そのままそれで通してもよかったんだが、優しく問いかけてくれる綾さんの目を見てたら、ウソは言えなかった。

 「解ったわ。それじゃあ慣れてくれば、気持ちよくしてくれるかな?」。

 綾さんがまた小さく笑みを向けてくれた。

 「でも、まずは私からね。さっ、横になって」。

 おずおずと寝転がると、綾さんは俺の膝の横辺りに両膝を揃えて突いてきた。

 ただ、このときの綾さんは、上半身裸だが、腰に超ミニのスカートを穿いたままだった。

 「さっ、腰を上げて」。

 白い手が、俺のブリーフの両サイドに掛かった。

 弓反りになってケツを浮かすと、意外に素早くパンツが下げられていった。

 綾さんは、踵から抜かれた布切れを簡単にたたんで脇に置いた。

 そのまま仰向けに寝転がっていた俺の愚息は、天を向くどころか、その切っ先を俺の顎の方に向けていた。

 綾さんの目は、真っ直ぐに、その肉棒に向けられていた。

 「こんなに元気なのって素敵よ。食べちゃいたいくらい」。

 再び白い手が伸びてきて、俺の竿に指が掛けられた。車のシフトレバーに例えれば、ローからリアかパーキング入れるくらいの角度に戻されたんだ。

 手で握られた分身に綾さんの顔が近づいてゆくと、先っぽに一瞬ピュルと舌が舐める感触があった。

 「やっぱり少し、しょっぱいかしら」。

 綾さんが俺の目を見た。

 「少し甘くしちゃお。そしたら、お口でしてあげるね」。

 言い終わると、上体を俺に近づけ、オッパイを搾り始めたんだ。

 白汁が亀頭に盛大にかかり、見る見る母乳まみれになっていた。

 「さっ、おいしそうになったわ。じゃ、いただいちゃお」。

 言い終わらないうちに、俺の体の一部は、綾さんの口にパクリ含まれた。なんとも温かくて優しい感じだ。

 だが、その感触の安らぎは、ほんの数秒で、すぐに舌による愛撫が始まった。

 この感触は今までに経験したことのないすばらしいもんだ。女の秘洞に居るのとは、まるで違った。

 舌の絡まる口内は、膣の中に納まっているときのように単調な動きではなく、かと言ってフィンガーサービスのようにはっきりした感触でもなかった。

 舌先は鈴口からカリ、さらに竿の方へと降りてはまた登る。それが何度か繰り返された。

 深く咥えられたときには、先端が扁桃腺辺りに触れ、なんとも言えないソフトな当たりだった。

 そんなサービスを何度も受け、その上、カリの縁や続く裏の窪みを舌先で執拗に舐られては、たまらなかった。

 俺は、早くも爆発しそうになっていた。

 「ああっ」。

 俺の声に気付いたんだろう。綾さんの唇は、スッと俺の分身から離れて行った。

 「あー、美味しかった。でも、もう少し我慢してね」。

 綾さんは膝歩きで、俺の下半身を跨ぐようにし、一旦軽く両太股の上に腰を置いた。

 優しい目が俺の顔を見ていた。

 下から見上げる綾さんのオッパイは、大迫力だった。このアングルからだと、一つのオッパイだけで綾さんの頭より大きく見える。

 しかも、聳え立ってる両の頂からは、まだ母乳が滲み出ていて、伝い落ちた雫が俺の身体を濡らしているんだ。雫の落下を感じる度に、俺の分身は、小刻みにピクついていた。

 腹筋の要領で起き上がろうとしたときだ。

 「とりあえず横になったままでいいわ。私がしてあげるから」。

 綾さんは、俺を押し止め、また笑みを浮かべる。

 そして、背筋を伸ばして膝立つと、這い寄って来る。

 綾さんの膝が、俺の脇腹を挟むくらいの位置に来ると、後ろ手で愚息を掴まれた。

 目を閉じた綾さんの腰がゆっくりと下ろされる。

 このときも綾さんはスカートを穿いたままなので、肝心な部分は良く見えなかった。

 亀頭が股間に触れたか触れないかくらいのところで、綾さんは腰を沈めるのを中断し、俺の肉棒を少し前後に揺する。

 「うっ」。

 次の瞬間だ、俺は思わず声を漏らしてしまった。

 俺の切っ先が全身毛羽立つような快感に包まれた。

 綾さんの中は、火傷しそうなほどに熱く、引き込まれるときには、プチプチとした摩擦感に満ちていた。それでいてとてもソフトな感じだ。

 綾さんは、手を添えたまま一回軽く伸び上がると、また腰を落としてきた。

 ズルッという摩擦が刺激的だった。

 二度目に腰を沈めた後は、愚息に添えられた手が離され、本格的に腰を上下してくれた。

 目は閉じられたままで、綾さんも接合の感触を味わうかのように、唇を僅かに開いていた。

 もちろん俺の方にも皮膚を通して、その感触はギンギン伝わってきていた。

 特に上下につぶされるような秘洞の圧迫感は凄く、何分も持ちこたえられそうもないことは、予測がついた。

 我慢しきれず、俺も下から腰を突き上げるようにしたんだ。

 最初の二、三回は、きれいにタイミングが合わなかったが、すぐに綾さんの腰の動きと同期するようになった。

 「んっ、うん、あっ、いいわ。その調子」。

 綾さんが両方のオッパイにそれぞれ手を添えると、いつもより大き目の乳首からほぼ同時にミルクが滴り始めた。

 俺の腹から胸板にかけては、母乳でびしょびしょになっていた。

 綾さんが俺の胸に両手を突いてミルクを塗りたくるようにマッサージしてくれた。

 少し下向きになったオッパイの突端からは、白い雫が途絶えることなく漏れ続けていた。

 至近距離から落下してくる雫は温かく、心地よいものだった。

 暫く続いたミルクローションのマッサージが終わると、綾さんは再び背筋を伸ばして、またオッパイに手を添える。

 そして今度は、思いっきり絞り始めたんだ。

 正に水鉄砲のような勢いだった。その白い飛沫は、俺の胸や顔にも降りかかったが、 多くは俺の頭を超えて、窓ガラスを濡らしていた。

 二人の腰の動きは速まり、俺もそしてきっと綾さんも下半身に意識を集中させたんだ。

 綾さんの中から湧いてきたであろう粘液で俺は玉袋までベトベトになっていた。接合部からは、クッチャクッチャと淫靡な音が鳴り続けていた。

 俺の手下は食い千切られるかと思うほどに締め上げられていたんだ。もう、我慢も限界だった。

 「綾さん…」。

 その一言で解ってくれたんだろう。

 「あっ、私もいいわ。はっ、はーっ、今日は大丈夫だから、そのまま来てちょうだい」。

 そのときまで、生でしていたことなど、全く意識していなかった。だが、お墨付きをもらって、俺は一気に振幅を大きくした。

 ほとんどブリッジをするくらいに腰を突き上げる。

 綾さんは、その上に跨ったまま、思いっきり交合部を押し付けてきた。

 二人の身体が完全に密着したとき、俺の青臭い体液が綾さんの中に爆墳となって迸った。

 「くーーっ」。

 「あっ、あーー」。

 後から後から、樹液が補給されているような感覚だ。

 俺の脈動は、何度となく綾さんの中に精を注ぎ込んでいた。それまでの人生の中で最高の快感だった。

 放出がひとしきり終わると、綾さんが倒れるように上体を重ねてきた。

 重いとは思わなかった。それより胸板に押し付けられた暖かいオッパイの感触が凄く心地よく、いつまでもこうして居たかった。

 そして、この日の俺は、そのまま夢の世界に沈んでいってしまった。



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