真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   17.優美な裸身


  
 部屋に戻ると、俺は直ぐに散らかったもんを片付けだした。

 転がしっぱなしになっていた雑誌を手早く隅に寄せ、目立ったゴミをコンビに袋に詰め込んだ。布団のシーツも張り直したんだ。

 三十分くらい経っただろうか、部屋の戸をノックする音が聞こえた。

 「入っていいかしら?」。

 「あっ、どうぞ」。

 中に入ってきた綾さんは、やや伏目がちで、動きにぎこちなさがあった。

 一応、俺も神妙にしていた。

 ただ、綾さんの格好は、その控えめな仕草には不釣合いなものだった。

 上は、綿のゆったり目のブラウスを着ていたんだが、下は超の字が付くような短いミニスカートだったんだ。

 布団の上に座っていた俺の目線からは、何とか大事な部分が見えないくらいだった。綾さんの肉感的な脚線がほぼ全て晒されてる感じだ。

 俺は、顔の表情を精一杯出さないように堪えていたが、股間は正直に反応していた。見下ろしていた綾さんからもジーパンの盛り上がりは、すぐに判っていたと思う。

 綾さんは布団の所まで歩み寄ると、スカートの裾を気にしながら布団の端に膝を付いた。

 かろうじて布団に乗る位置に正座した綾さんが軽く唇の縁を上げる。この笑顔には、救われるような思いがした。

 ほんのちょっと見詰め合った後、綾さんは首の辺りを掌で扇ぐような仕草をする。

 「お風呂上りは、やっぱり暑いわね」。

 「あっ、エアコンきつくしましょうか?」。

 まだ、そこそこの緊張はしてたんだろう。俺はアホなこと言っていた。

 でも、このボケ咬ました言葉で緊張感がかなり軽くなったんだ。

 「クスッ」と綾さんが笑った。

 「いいのよ。脱げばいいんだから」。

 言うと、自らのブラウスのボタンをはずし始めたんだ。

 俺は、ミルクを飲ましてもらうときのように、それをじっと眺めてた。

 白いブラウスを脱ぐと、ブラシャーだけが綾さんの上半身を飾っていた。それは、若干ピンクがかったシルクのような光沢のあるものだった。

 レースに縁飾られた丸い膨らみは、神々しいほどの美しさだった。

 綾さんは、また目で微笑むと両手を背中に回す。

 いよいよ、ブラジャーがはずされる瞬間。

 だが、綾さんは、そこで手を止める。

 「恥ずかしいなー。駿くんは脱がないの」。

 当時経験も少なく、こういうのに慣れてたわけじゃないけど、我ながら気遣いの無さを恥じた。

 俺は慌ててTシャツを脱ぎ、続けてジーパンを脱ぎ捨てた。

 それを見て取ると、綾さんは再び手を後ろに回したんだ。

 バシッと少し大きな音がして、ブラジャーのバックが翻った。

 綾さんの頬は、ほんのり赤くなっていた。

 女心としちゃ、こんなとき無粋な音は立てたくなかったからだろう。でも俺は、綾さんのオッパイの迫力を音でも感じれて嬉しかった。

 そして今度こそ、ブラジャーがはずされる瞬間を迎えた。

 綾さんは、カップの上に両腕をクロスに違える。

 いかにも女らしい指先が伸びて、肩紐を探る。

 まず右から、そして左へと、片方ずつ光沢のあるストラップが下ろされていった。

 掌では覆いきれないほど大きなブラジャー押さえて一旦動きが止まる。

 肩から鎖骨にかけてのコントラストを浮き立たせる凹凸は、正に女を感じさせる優美なものだった。

 両腕をクロスにしていても、その巨大なオッパイは、二の腕からこぼれそうだった。

 彼女は俺を見つめ、軽く作り笑いをする。また目を伏して、ゆっくりとカップを取り払っていったんだ。

 俺の目の前に晒されたオッパイは、あまりに瑞々しく量感を湛えていた。しかもしっかりとした張りを保っていた。

 その並外れた自重に耐え、ピンクの乳首は、真っ直ぐ俺の方を向いていた。普段でもブラなんて要らないくらいに、胸板に堂々と聳え立って居たんだ。

 考えてみれば、綾さんが完全にブラシャーをはずした姿を見たのは、このときが初めてだった。

 彼女の上半身には、目立つシミやソバカスも無く、全体が透き通るように白かった。

 ただ、肩に近い方の緩やかな凹凸とは対照的に、圧倒的な存在感を示す二つの乳房には、幾筋かの静脈が走っている。そして、その頂点には本来の機能を備えたピンクの突起が屹立していた。

 「見るからに立派ですよねー」。

 「何言ってるの。いつも見てるじゃない。それにお風呂から揚がったばっかりだから、張ってるのよ」。

 綾さんの両手が、オッパイを軽く持ち上げる。すると、いつにも増して潤沢な母乳が滴り始める。

 手を離され、ゆっくりバウンドした両乳房の先からは、それぞれ一筋ずつのミルクが噴水のように噴き出していた。

 「やっぱり、最初に吸っておいてもらわないとダメね。このままだとお布団ビショビショになっちゃうわ」。

 俺は、綾さんの背中に手を回し、抱き寄せるようにした。掌には、風呂上りの温かい肌が感じられた。

 俺が右手でオッパイを持ち上げようとすると、綾さんも重たいオッパイを手で支え、差し出すようにしてくれた。

 すると噴き出すミルクの筋は数を増し、俺の顔を擽る。それを俺は、口を大きく開けて捕らえ、食べるように乳首を含んだ。

 わざわざ吸うまでもなく、口の中には懐かしい甘みが広がっていく。

 舌と口蓋で潰すようにすると、口の中に噴流が当たり、ちょっとくすぐったいくらいだった。

 さっきまでの緊張で、また喉が渇いてたんだろう。俺は、また暫く綾さんの母乳を飲み下していた。

 左のオッパイをある程度のみ終わると、当然のように右のオッパイにも喰らい付いた。

 また、新たなミルクが俺の口の中に満たされ、それを飲んでいった。

 その間、柔らかさを取り戻した右のオッパイを弄んでいたんだ。

 上目遣いで見ると、そのピンクの突端からは、ボタボタと粘り気を増した母乳が溢れ続けていた。



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