真昼の情事/官能小説

  賄い付き下宿

                        蛭野譲二

   11.母乳のある日常


  
 朝食のときの牛乳は、綾さんの母乳に替わっていた。

 話し振りからすると、綾さん自身は日に何パックも牛乳を飲んでいるようだったが、俺には、前の晩に搾っていたミルクを冷蔵庫で冷やし、それを朝食のときに出すようになってたんだ。

 「もし、いやだったら、はっきり言ってね。でも、捨てるためだけにお乳搾るのって虚しいから、少しでも飲んでくれると凄く嬉しいの」。

 そんな風に言われると断れなかったし、俺は甘いものも嫌いじゃなかったから、牛乳より甘い綾さんのミルクも、けっこう気に入っていた。

 母乳は牛乳より薄いことを意識していたのか、朝は、コップ二杯分のミルクが用意されていた。


 夜は夜で、夕食の後、綾さんのオッパイを直に吸うのが日課のようになっていた。食後のコーヒーのようなもんかもしれない。

 夕食の後片付けが終わると、綾さんが声をかけてくれるんだ。

 すると俺は、のこのこと食堂に出て行く。

 綾さんは、テーブルを横に見るように椅子に腰掛けている。その斜め前には、何回かの試行錯誤で位置決めされた、もうひとつの椅子が置かれている。

 もうこのときは、綾さんのブラウスのボタンははずされていて、何度見ても見事なブラジャーに包まれたオッパイが見え隠れしている。

 「じゃ、お願いね」。

 いつもそう言って、ブラジャーを引き下げるんだ。

 俺が綾さんのオッパイを吸うようになってから、ブラジャーはカップが浅目のものが多くなったように思う。これは、オッパイを出しやすくするためなんだろう。

 たまには、授乳用のブラジャーをしていることもあった。こちらは、普段彼女が身に着けているブラジャーに比べると、デザイン的に少し劣るが、シームレスブラの様に素っ気無いものでもなかった。

 授乳ブラのときは、ストラップの途中にあるホックみたいなものをはずして簡単にオッパイが、飛び出てくる。

 「出しやすいんだったら、いつも授乳用のにしたら?」。

 一度そんなことを言ってみたことがある。

 「うん、そうしてもいいんだけど、授乳用のって意外にサイズがないのよ。そりゃー、Gカップくらいまでは売ってるんだけど、その上のサイズ、売てっないの。これも、わざわざ誂えた物なの。それに、これでも少しは、オシャレに気を使ってるのよ」。

 最後にかわいらしい笑顔を浮かべて彼女は、そう答えていた。

 オッパイに吸い付くと、いつも遠慮なくミルクを飲んでいた。

 綾さんのオッパイは、硬く張り切っているときを除けば、少々捏ね回しても痛くないらしく、唇を吸い付かしたまま両手でもんだりもしていた。

 ただし、彼女のオッパイは、鈍感だったんじゃないようだった。

 たらふく母乳を飲むと、俺が悪戯に綾さんの乳首を舐めたことがある。

 そしたら、「いやーん、反則だぞー」って、嗜められた。

 俺は、美人の巨乳を生で見ているんだから、性的な連想はもちろん働いていた。

 夜、寝るときにマスをかくのも、オカズはたいてい綾さんだった。

 だが綾さんは、オッパイを吸われるのと性的興奮は別なようで、いや、あえて別にしようと意識していたのかもしれないが、まだエッチをさせてくれる感じじゃなかったんだ。

 いつものように、夕飯後の「授乳タイム」に綾さんのオッパイを吸っているときだった。俺は、わざとじゃなかったんだが、うっかり手が綾さんの太股の上の方を触れたことがあった。

 そしたら、彼女はビクッと反射的に身を固くしていた。

 それ以来、授乳時のオッパイは別にして、綾さんの身体を下手に触ることが無いように気をつけていた。


 朝夕毎日二回、母乳を飲むようになっていたが、綾さんのオッパイは、それじゃあ全然足りないくらいの製造能力を持っていたようだ。

 俺自身は、一回に牛乳ビン二本分くらいは飲んでいると思っていたが、「両方で六百ccくらいは楽に出てる」と言っていたことからしても、余るわけだ。

 それに彼女は、日に四、五回はミルクを搾っていたようだった。夕方と夜の分はある程度俺が飲んでいたとしても。少なくとも朝と昼の分は、捨てるために搾っていたようなもんなんだろう。

 綾さんは、その分の一部も捨てないようにする工夫を始めたんだ。


 ある日の晩、晩飯を食っているときだった。

 その日の晩飯はカレーで、綾さんと一緒に食べることになった。

 俺が最初の一匙を食う顔を綾さんがまじまじと見つめていた。

 「お味はどう?」。

 ちょっと不安げに彼女が訊いてきたんだ。

 「美味しいですよ。ひょっとして作るとき何か失敗でもしたんですか?」。

 「美味しいんだったら、よかった」。

 答えるなり綾さんも、カレーを食べ始めた。

 ごっつい肉の固まりも一杯入ってて、けっこう美味しかったのは事実だったが、綾さんの言葉が妙に気に掛かった。

 「秘密があるなら、教えてくださいよ。ちょっと気味悪いじゃないですか」。

 「実はねー、今日のカレーには牛乳が入ってないの」。

 「えっ、別段普通のカレーみたいだけどー、…ってことは?」。

 「ね、もう解ったでしょ。このカレー、お昼に搾ったミルクで作ってみたの」。

 この言葉には、少々驚かされたんだが、このときの悪戯っ子のような綾さんの笑顔はひどく可愛らしかった。

 この晩も、食後の母乳をたらふく飲んだのは、言うまでもない。


 前期試験が始まった日のことだ。

 朝飯を食おうと、部屋を出た。

 食堂には綾さんが居て、流しの方を向いていた。

 俺の足音に気づいた彼女が振り返ったときだった。

 綾さんは、片方のオッパイを丸出しにして、見慣れない器具をオッパイの頂に押し付けていた。後でそれが「搾乳機」というもんだというのは解った。

 俺がオッパイを見て、驚いたような顔をしていたんだと思う。

 「お早うございます」。

 「あっ、お早うございます」。

 「今日から試験でしょ。試験中にお腹がゴロゴロしちゃいけないと思って。今日から、冷やしてないミルクを飲んでもらおうかと思って。生暖かいかもしれないけど、ちょっと我慢して。それに搾り立てだから、この方が雑菌も無いと思うわ」。

 綾さんは、まだ母乳を搾っている最中だった。プーンというモーター音がすると搾乳機に取り付けられたビンの中に白い液体がドバドバと落ちていってるのが見えた。

 「本当はねー、朝が一番オッパイが張ってるの。きっと夜中中お乳を造ってるのね。今でも朝目が覚めるのは、オッパイの突っ張り感でなの。下でこれ一本分は搾ってきたんだけど、まだ痛いくらいなんだ。この調子だと後三本分くらいは出るから、好きなだけお替りしてね」。

 搾乳機のビンを良く見ると、二百まで目盛りが付いていた。

 「ってことは、朝は八百ccも出るのかー?」と思い、あらめて綾さんの母乳の多さに驚かされた。

 以後、試験が終わっても朝のミルクは、搾りたてのものになったままだった。

 週に何度と無く、朝から綾さんのオッパイを眺めることになったんだ。

 夕食も、毎日じゃないが、あのカレーの日以来、本来牛乳を使う料理は、全て綾さんの母乳で作られるようになった。

 それを美味しそうに食ってると、綾さんは、いつも目を細めて喜んでくれたんだ。

 ふと思えば、俺の体力の源が全て綾さんの母乳から出ているようで、不思議な感じがした。



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