真昼の情事/官能小説


  循環病棟

                        蛭野譲二

   13.至福の延長入院


  
 竜一が病室に戻ると、弓子が入ってきて深く頭をさげた。

 「どうぞ、これからもなお一層の努力をしますので、よろしくお願いいたします」。

 「藤原さんに何か言われたのか?」。

 馬鹿丁寧な様子に竜一が聞くと、弓子は真っ直ぐ竜一を見詰めて答えた。

 「はい『大事な患者さんなので、粗相の無いように』と言われましたので」。

 他にも何等かの指示はあったかもしれないが、特に藤原から責められたりしたのではなさそうだった。


 その晩の夕食の際、弓子はいつものようにボタンをはずし、白衣の袷を広げていった。

 このとき巨大な乳房を包んでいたブラジャーは、見事なまでに透けた総レースだった。

 カップの生地越しにも、やや大きめの乳輪までがしっかりと透けていた。食事時にも関わらず、まるで誘っているかのようだった。

 しかしこの時の弓子は、いつものような照れ隠しの会話はせず無言ですぐにカップを引き下げた。

 乳房は、かなり張った感じで太目の静脈が幾筋も浮き出していた。

 コップを当てオッパイを搾り始めると何時にも増して勢い良くミルクが噴き出した。

 初めグラスの内壁を叩くチリチリという音が僅かに聞こえ、直ぐにジュージューという音に変わった。泡立った白濁液が溜まり始める。

 竜一は、毎度のことながらこの母乳の多さに感心させられていた。


 弓子がミルクを搾り終わり、コップをテーブルに置いた時だった。

 「今日からは、お毒見をさせていただくことになりました」。

 竜一が何事かと様子を眺めていると、弓子は竜一に向かい合うようにテーブルの上に腰掛けた。そして膝を上げ、股間を広げて見せた。無毛の女の部分が少し口を開けている。

 弓子はその部分に指を差し込んで掻き回すようにすると、引き抜いた指をゆっくりと舐めて見せた。

 「私の中に食べ物を入れてからお食べください。万一毒があれば、私も同じ運命になります」。

 そう言うと弓子は恥ずかしがりながらも自ら下の薄い唇を引っ張り、女だけの穴をポッカリと広げた。

 竜一も延長入院の間に一服盛られる可能性も意識していたが、逆に病院側から「安全の保証」を示してくるとまでは考えていなかった。

 「弓子が最初に指を入れて舐めたのは、膣に毒を仕込んでいない証明のためだったのだろう。藤原の指示でやらされていることだろうが、頬を染めて自らの花弁を広げ、内臓までを晒した看護婦の姿は妙にそそられるな」。

 口には出さなかったが、竜一はそう思うと、一応素直に弓子の指示に従うことにした。

 長方形に切られたコンニャクを取り上げると、弓子の中にゆっくりと押込んで行った。

 弓子は挿入された物の感触を味わうように目を閉じている。

 箸の先を弓子の中に差し入れて、中のコンニャクを取り出そうとするが、漆塗りの箸では滑ってうまく挟むことができなかった。

 すると、弓子は白衣のポケットに入れていた鉗子を手にとり、差し出してきた。

 「尖ったお箸を使われるのは、やはり怖いんです。こちらを使ってください」。

 鉗子を受け取ると竜一は、早速に丸い先端を弓子の中に差し入れた。掴むための道具なだけに今度はコンニャクを挟むことができた。

 花弁の間から再び現れたコンニャクは女の汁を纏って、テカテカと光っていた。

 竜一が形のあるものに一通り女の体内に収め、取り出して食べていったが、弓子はテーブルを降りようとしなかった。

 「お毒見の分だけでなく、残りも一旦ここに入れてから食べるようにしてください。その方がゆっくりと食事ができて、満腹感が得られますから」。

 嬉しい気遣いである。だが、竜一はけなげな弓子を見ていてさらにいたぶりたい気持ちになっていた。

 あらかた食事が終わると、最後にゴボウの煮しめを弓子の体内に押し込む。

 「なかなか上手く掴めないなー」。

 竜一は、わざと弓子に突っ込んだ鉗子を捏ね回していた。

 「もう、真面目に食事をしてください」。

 「だって、鉗子なんてそうそう使ったこと無いんだから仕方がないだろー」。

 「あん。そんなにされたら困ります」。

 「困ってるのはこっちだよ。こんなにお汁を溢れさせてちゃ、食べられやしないよ」。

 これも看護婦としての務めと思い、恥ずかしさを圧してMの字に脚を開いている弓子にとっては、「早く食事を済ませて欲しい」という気持ちもあった。

 だが、長い金属の器具を体内に差し込まれ、執拗に掻き回された看護婦は、ただ竜一のなすがままになるしかなかった。そして内側の襞を擦られ、徐々に欲情を呼び起こされていくのだった。

 以後、病室で食事をする時は、弓子との新たな食物循環が加わることになり、竜一の飲食行動は弓子への依存度を増すこととなった。


 後の四週間は、竜一にとって夢のような入院生活が続いた。

 弓子の休日には景子が相手をしてくれ、相変わらずの美姉妹の味も堪能していた。

 接触のあった女たちとも、全て肉体関係を持ち続けていたのである。

 特に弓子との関係は、単なる肉体関係以上のものとなっていた。

 竜一の提案する様々な辱めも拒むことはなく、むしろ喜んで身体を差し出しているようだった。

 「えっ、そんな恥ずかしいこと、どうしたら良いかわかりませんわ。でも、他の方に試すくらいなら私の身体で試してください」。

 言葉でこそ淫乱を認めるような言い方はしなかったが、いつも淫靡なアイデアを聞かされるだけで、粘りの強い液体を白衣の裾から滴らせるのであった。

 二人で一緒に居るときは、弓子にもトイレに行くことを許さず、竜一の目の前でオシッコをさせることにしていた。

 その度に弓子は恥かしさに頬を染め、オシッコを見られることに慣れることはなかった。

 寄り添っている時には、竜一の手が常に弓子の身体の何処かをいじっていた。

 屋外に出て芝生に座っている時なども、竜一の指は弓子の身体の中に入ったままで、いつもふやけっぱなしだった。

 気が向けば、手首ごと体内に捩じ込んで攻めたてることも自由なのである。


 弓子が下の口で毒見をするようになった晩から、呼び出さなくても添い寝もしてくれるようになっていた。

 消灯時間後に病室に入ってくる弓子は、いっそう艶かしい格好だった。

 ナースキャップも白いストッキングも身に付けているのは変わらないが、このとき着てくる白衣は昼間のそれとは違っていた。ベルトの無い白衣は、全てシースルーの生地で出来ていて、減光された部屋の中でもはっきりと身体の線が見て取れるのである。

 白衣の下に着けているブラジャーとガーターベルトの白さがくっきりとしたコントラストになって浮かび上がる。背を向ければ、パンティーを穿いていないヒップが正に白桃のように妖しく男を誘っているようだった。

 ベッドに腰掛けた弓子は、透けた白衣をはだけ、ブラジャーのカップをずらす。

 いつも潤沢にミルクを湛えたオッパイは、竜一に飲んでもらいたいとばかりに白汁を滴らせるのである。


 弓子の胸からのナイトキャップを飲み終えた竜一は、引き倒すように淫らな看護婦を抱き込み抱擁する。

 母乳を吸われ柔らか味を増した乳房の感触は、胸板でも十分に感じ取ることができた。それだけで男の象徴は象徴たる威厳を見せつける。

 貪るように口付けを交わしていると、弓子の手がやさしく竜一の分身を包み、本来の目的地へと導く。

 しとどに濡れそぼった女の入口は、難なく男のものを飲み込み、徐々に締め付けを増してくる。

 安眠前の交わりは、日中に竜一がぶつける欲情と違い動きの穏やかなものだったが、淫靡な看護婦の肉洞は、確実に男の機能を喚起していた。いく度味わっても飽きない触覚と熱を伝えてる。

 一際強烈な昂ぶりを覚えると、竜一は自らの上に重なった看護婦の中に一日の終わりの印を注ぎ込むのだった。

 気だるさの中、竜一は「この様な楽園を興味本位のマスメディアの標的にしてしまうのは、余りにももったいない」という気持ちに傾いていったのである。



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