真昼の情事/官能小説


  循環病棟

                        蛭野譲二

   11.水の精


  
 その日の昼下がりも弓子と連れ立って、敷地内を散歩していた。

 竜一は、弓子の肩に腕を回し、白衣の襟口から手を入れ、乳房を弄びながら歩いていると、また、いつの間にか日本庭園の中に入り込んでいた。

 例の水琴窟の前にくると竜一は立ち止まる。

 「これ何だか知ってますか」。

 竜一が訊ねてみる。

 「はい」と答えた弓子は、何故か少し顔を赤らめている。

 「音を出してみてくれない?」。

 他意無く言うと、弓子は「意地悪な人」と呟いて石ころの上に立ち、竜一の方に向き直った。

 意外な展開に竜一は黙って弓子の行動を見守った。

 弓子は脇の柄杓には見向きもせず、少し脚を開いてその場にしゃがみこんだ。

 つられるように真正面にしゃがんだ竜一からは、弓子の少し開いたピンクの花弁がモロに見える。

 弓子はそのまま俯き目をつむる。股間からはポタポタと雫が滴り始め、やがて堰を切った様にオシッコが放出された。

 竜一は瞬きもせず、弓子の女の部分を見詰め続けた。大人の女がオシッコをするところをまともに見たのは初めてだった。

 弓子の迸りがまだ続いているところで、ピトンピトンと水琴窟の音が聞こえ始めた。

 この水琴窟は、耳だけでなく患者の目をも楽しませるための仕掛けだったのである。

 暫く放出し続けた弓子のオシッコも勢いがなくなり、ポタポタと垂れる雫に変っても、水琴窟の音色は鳴り響いていた。

 竜一は飽きもせず弓子の股間を見詰めていた。本来ならとっくに終わっているはずなのに、弓子の雫は一向に切れがない。

 目をこらしてみると、雫はその一滴が奇妙に大きく、糸を引いている。それが愛液だと気付くと、またからかってみたくなった。

 「妙に切れが悪いね」。

 弓子が顔を真っ赤にして「恥かしい」と身体を振るわせる。

 その瞬間、女の部分から一際大きな雫がドロッと垂れ出てきた。

 竜一はその雫を手ですくい取ると、ペロリと舐めた。

 「やっぱり少ししょっぱいな」。

 わざとらしくニヤッとする。

 「いじわる」。

 そう言って弓子が抱き付いてきた。

 何ともかわいらしい。看護婦というよりも恥じらいを忘れない少女のようでもある。

 こんな仕草見せ付けられれば、竜一も我慢できなくなった。石桶に弓子の腕を突かせると、改めて白衣の裾をめくり、バックから激しく犯していた。

 人前で用を足す姿まで見せてしまった弓子は、羞恥で昂ぶっていた。

 竜一の分身は、まるで処女の肉洞を侵すときのようにタイトに締め上げられていた。

 何時ものことだが、弓子に挑んだときは、長い時間持ちこたえることが困難である。数分の間に、竜一も限界に近づく。

 強烈に腰を押し付け、きつい噴出を洞窟の奥壁に叩きつけていた。


 激しい波が去った後も竜一は、腰を押し付けたままだった。身体の一部は、相変わらず弓子の中に納まっていた。

 弓子は、腰を引いて接合部を離そうともせず、ヒップで竜一の下腹を支えていた。

 ここで、竜一は、ある試みを思いついた。

 下腹に意識を集中し、軽くトライしてみたが、まだ膨張の収まりきっていない愚息は、容易に目的を達成しようとはしなかった。

 両腕を弓子の脇下を通して前に回し、手探りで白衣の前を開けて行く。

 何とか袷を広げると、今度はブラジャーのカップに手を掛け、巨大な乳房の両の乳首を外気に晒す。

 性交の昂ぶりのためか、弓子のオッパイは、何時にもまして熱を帯び、パンパンになっていた。

 乳首の位置を確かめると、少し離してその回りに掌を当て、少し捻るように乳輪の辺りを絞り上げる。

 既に漏れ出しそうなほどに張り切っていた乳房からは、すぐに母乳が噴き出し、いく筋もの放射状の白い線が描かれる。

 石桶に溜まっていた水には、弓子のミルクが降り注がれ、表面を白く濁していった。

 母乳で水遊びをしている間に、竜一の分身は、ほぼ平常サイズに戻っていた。しかし、それは、淫靡な看護婦の下腹に収まったままである。

 頃合い良しとみた竜一は、再び下半身に意識を集中する。

 「えっ、うそ」。

 突然、膣内に起こった不思議な感覚に弓子が声を洩らす。

 竜一は、交合したまま放尿を始めていたのである。

 ビデによる洗浄にも似て非なるその感覚は、幾分膣内を押し広げる何ともいえない柔らかさだった。

 竜一は竜一で自らに起因した水圧に負けじと、腰を押し出していた。

 弓子の体内から溢れ出た色付き水は、太股を伝いとろとろと流れつづけていた。

 色白の肌を伝わる水筋には、粘りつくゲル状の物質もたまに混じっていて、弓子の内股をくすぐっていた。



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